「“納豆”不毛の地」といわれるほど、大阪人は納豆をあまり食べない。だが近年、健康志向への高まりで、大阪人の納豆嫌いに少々変化が生じているとも聞く。

そんな大阪で、最中(もなか)に納豆をはさんだ『最中納豆』を開発・販売する会社がある。大阪府北部の豊能町にある納豆一筋50年以上の山口食品だ。

早速、渡された最中納豆は、納豆が入ったケースに“しそのりだれ”がついており、最中が上下別で袋に入っていた。食べ方はまず、最中の上に納豆を載せ、しそのりだれをその上にかける。そして、もう1つの最中ではさんで上からグルグルと納豆とたれをかき混ぜて食べる。

食べてみた印象は、一口で「うわっ!納豆!」という感じ。豊能町産の国産大豆を使っているだけあって納豆そのものがとても美味しく、しそのりだれとも絶妙にマッチしていた。さらに、「最中の選定で1年ほどかかった」というだけあり、ほどよい硬さのサクサク感が歯ごたえいい。意外な組み合わせながら、納豆というより和菓子に近い気がした。

納豆最中を開発したのは、同社で3代目となる山口宗太郎さん(29)。2代目の納豆職人として活躍する父の傍ら、新たな納豆の商品を開発したり、会社紹介の動画を作成したりして、豊かな自然が広がる地元・豊能町から「職人こだわりの美味しい納豆」を発信している。

「最中納豆の開発には2年ほどかかりました。当初は、自社のホームページなどで細々と販売していたのですが、今年2月に『笑ってコラえて!』(日本テレビ系列)の“日本列島ダーツの旅”コーナーで紹介されてから知名度がアップし、今ではリピーターの方がよく買われますね」

ほかにも、豊能町産の国産大豆にこだわった『豊能納豆』をはじめ、丹波産の黒豆など美味しい大豆を選び抜いて発酵期間を1日、6日、12日に設定して食べ比べができる『三代目宗太郎作 大阪納豆食べくらべセット』を大阪ミュージアムショップで5000円(税込)で販売中。“発酵の違い”による納豆食べ比べは、業界初・日本初(自社調べ)という。

なお、最中納豆は1個150円。12個入り2000円で山口納豆のホームページからも購入できる(いずれも税込)



取材協力:山口納豆 〜職人と国産大豆へのこだわり〜
大阪ミュージアムショップ
http://www.msosaka.jp/