一見、あの野菜の“ナスビ”のような、なんだか不思議なキャラクター。今年3月に開催された「東京国際アニメフェア」をはじめ、６〜７月の米国・ロサンゼルスでの「ロサンゼルス アニメエキスポ」なども登場したこのナスビのキャラ、その正体はいったい・・・

２０１２年３月２３日、トヨタ自動車とアニメ制作会社「STUDIO 4℃」のアニメーションコラボプロジェクトが発表された。名付けて「PES：Peace Eco Smile」。STUDIO 4℃は、　「MEMORIES」（大友克洋監督）、「鉄コン筋クリート」（マイケル・アリアス監督）などの作品を手がけたことで知られる。

ストーリーは、宇宙からの旅人PES（ペス）とPESを助けに来た不思議生命体NaSuBi（ナスビ）が、近未来の東京・吉祥寺で、人への優しさや愛することの大切さ、小さな幸せの大事さを見つける内容。作品中に、トヨタ自動車の3Dモデルが登場するのをはじめ、コンセプトを“元来、ヒトは移動することで、成長し、経験し、進化してきました。その移動をプロデュースする商品としてクルマがあると考えています”とし、移動する喜びをアニメを通じて発信している。主人公のPESが宇宙人の目線から地球や車の価値を紐解いていくラブコメディーが現在、YouTubeで第1弾（全7話）が無料で視聴できる。

そして、作品に登場する３匹の奇妙な宇宙人キャラクターはそれぞれ「Na」、「Su」、「Bi」という名前。銀河系生まれのスーパーナビゲーターで、「Su」はPESとともに宇宙を旅している。地球からHELP信号を発してきたPESと「Su」を助けるため、「Na」と「Bi」が時空をワープして地球に降り立ち、その時に学習した関西弁のおかげで話し言葉に関西なまりがある・・・というプロフィール。

ロサンゼルスでの会場では、不思議生命体「Su」の着ぐるみが会場を歩き回ってアピールする姿が話題に。９月の「京都国際マンガ・アニメフェア２０１２」では、NaSuBiの形をした不思議な触り心地のオリジナルグッズ「NaSuBi珠（なすびだま）」、京野菜“加茂なす”のクッキーが登場した。さらに１０月にはPESのホームタウン、吉祥寺の中道通りに「Su」が出現して昭和レトロな雰囲気の街が騒然とした一方、「Su」は地元の人々らと出会って触れ合い、街と人の温かみを情報収集したという。

NaSuBiは、ひと目見ると忘れられないインパクトがある。だが、見れば見るほどかわいくも見えてきて、なんだか心がいやされてくるから不思議。一方、車離れが進む日本で、アニメを通じて移動、そして車の楽しさを発信する新たな試みは、なかなかおもしろく興味深い。日本が世界に誇る自動車とアニメの異色のコラボ、今後の展開が楽しみだ。




画像提供：PES : Peace Eco Smile

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（Written by Aki Shikama）


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