イタリアは「カフェ」の文化が普及する国。特に、エスプレッソやカプチーノ、カフェラテなどは言わずもがなイタリアが本場で、その味は絶品だ。イタリアの首都ローマには数多くのカフェがあり、地元の人々をはじめ観光客らでいつもにぎわっている。
そのローマで最も歴史あるカフェとして有名なのが「アンティコ・カフェ・グレコ (Antico Caffe Greco) 」。オープンしたのが1760年で、このほど250周年を迎えた老舗のカフェだ。このカフェ・グレコに先日、足を運んでみた。
カフェ・グレコは、映画『ローマの休日』の舞台でも有名なスペイン広場に直結するコンドッティ通りに位置する。もちろんローマで現存するカフェの中で最も古く、イタリア国内でも1720年に創業したヴェネツィアのサン・マルコ広場にあるカッフェ・フローリアン(Caffe Florian)だけがカフェ・グレコより古いほどだ。
店内に入ると、手前にバールのような立ち飲みできるカウンターと、パニーニやケースなどを販売するコーナーがあり、奥が座って飲食できるサロンになっている。その奥のサロンには、かつてカフェ・グレコを利用した歴史的な著名人たちのポートレートなどが掲げてあった。たとえば、ゲーテ、カサノヴァ、メンデルスゾーン、バイロンらそうそうたるメンバーが並ぶ。今でもローマの著名人たちがお忍びでここを訪れるという。
黒の燕尾服を着た給仕人が来てオーダーを聞き、サービスを行っているのも当時のまま。カウンターよりサロンのほうがメニューの価格はやや高めだが、テーブルなどの調度品なども趣があり、サロンを利用する価値は大きい。パニーニとエスプレッソを注文し、ミネラルウォーターがついて16ユーロ(約1600円)。
かつて、歴史的な著名人たちがこのカフェ・グレコを利用した面影を、今でも十分に感じることができた。スペイン広場から歩いても1分ほどで場所はすぐわかる。ローマの待ち歩きでちょっと休憩するにもピッタリのスポットだ。
Antico Caffe Greco
(Written by Aki Shikama)
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