フランス・パリでおなじみの観光スポット「凱旋門」。パリを訪れたら、エッフェル塔とともにこの凱旋門を観に行った人も多いはず。この凱旋門にはさまざまな逸話がある。
この凱旋門が、フランス史上で英雄といわれるナポレオン・ボナパルトが建設し始めたのは、あまりにも有名。ナポレオンはローマに遠征した際、コンタンティヌスの凱旋門に強く惹かれ、自ら命じて1806年に建設がスタートし、30年後に完成した。だが、ナポレオンがこの凱旋門をくぐったのは1840年で、しかも実際にはナポレオンの遺体を納めた棺おけだった。
また、ローマにいくつかある凱旋門と異なる、ナポレオン独自な部分も必見。過剰な装飾といわれるローマの凱旋門と最も違うのは、柱がないこと。支柱から装飾を取り払った分、表面はなめらかに仕上がり、より圧倒的な大きさを示す現在の形になったという。
一方、国のために犠牲になった兵士の名誉を称える場でもある。1923年、当時の陸軍大臣だったアンドレ・マジノによって追悼の火が点されて以来、この炎は一度たりとも絶えたことがない。毎日18時半になると900あるフランス在郷軍人会のうちの1つによって点火される様子は、誰でも見学できる。
さて、凱旋門は、高さ49.5mあり、ビル14階分の高さに相当する。一番上の展望台(テラス)に登ることができる。凱旋門はシャンゼリゼ通りなどにつながるエトワール広場にあるが、いったん地下に降りて入場チケットを買い、長いらせん階段を登っていく。途中、1833年から1836年にかけて20人ものアーティストが手がけた彫刻が当時のまま展示されている。さらに、テラスからはエトワール広場に集まる12もの大通りが放射線状に広がり、エッフェル塔を含むパリの街が一望できる。
ナポレオンもきっと見たかったであろうこの光景、パリに来たならぜひ体感してほしい。外から眺める凱旋門ももちろんよいが、ここで紹介した数々のエピソードを知った上でテラスから眺めると、より思い出が心に残るだろう。
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