メジャーなところでは「1万円からでよろしかったでしょうか」など、日常的に使われている言葉の中でのおかしな言い回しや、「役不足」みたいな、実は多くの日本人が使い方を間違えている言葉というのがある。テレビ番組で2択クイズにされているのを見て盛り上がるやつである。

日本での生活をはじめた海外の外交官やビジネスパーソンに長年日本語を教えており、外国人がつまずきやすい「日本語の壁」について詳しい長尾昭子先生と、「日本人のちょっとヘンな英語」など、累計350万本の英語本を売り上げるアメリカ人のデイビット・セイン先生による共著「日本人が気づいていない ちょっとヘンな日本語」には、外国人の視点から「おかしい!」と思える日本語独特の表現をきっかけに、このような「日本人も使い方を間違えている日本語」について紹介している。

同書の一部を抜粋して、「明日話せる日本語雑学」を紹介してみよう。

まずは「的を得る」。ものごとを的確に捉える、という意味で使われる言葉だが、Microsoft Wordで入力すると緑色の波線が「お前は間違っている!」と教えてくれる。
こちらは正確には「的を射る」で、「得る」は「当(とう)を得る」との混同とされている。「的を射る」はそのまま「的確」であるの意味なのだが、「当を得る」は「道理にかなっている状態」のことを表す。

そして「確信犯」。多くの人は「法律に違反しているとわかっていながら悪いことをしてしまう犯人」のことだと思いがちだが、実際は真逆である。「本人が悪いことではないと確信してなされる犯罪」という意味で、悪くないと思いながらすっかり悪いことをしているという一番タチが悪いヤツのことを指すのだ。

「“ピンからキリまで“はポルトガル語」「“どうも”が都合の良いあいさつ言葉に使われるようになった歴史は意外と浅い」など、全てを説明するのは“割愛”させてもらうが(実は“割愛”の用法もこれでは正しくない)、同著には他にも明日からすぐにしたり顔で話せる面白くてちょっとヘンな日本語が詰まっているのである。

タイトルにある「敷居が高い」であるが、この流れだと答えはもちろん「高級料亭」ではなくて「店長とケンカしたラーメン屋」の方。「敷居が高い」の正しい意味は、「日本人が気づいていない ちょっとヘンな日本語」を読んでみればよいのではないだろうか。

(Written by 笹川太志)


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