ここ最近のニュースを賑わせている中国の大気汚染問題。
「大気汚染の原因とされる微小粒子状物質“PM2.5”が中国から飛来していると懸念される問題」だ、しかし、飛来しているものの名前が「PM2.5」では、「スギ花粉」とか「黄砂」みたいな名前的なわかりやすさがないと思うのだが、ニュースなどをみて「とにかく小さいんだな」ということは、一般に広まっている。

PMは「Particulate Matter(粒子状物質)」の略。2.5は大きさの基準「2.5μm」のことでcmに換算すると0.00025cm。“スギ花粉”くらい分かりやすい言葉に換えると「0.00025cm以下のつぶ」ということになるのだろう。中国から飛んでくるものとして代表的な黄砂は4〜8ミクロンで、花粉はもっと大きい。
あとは各所で報じられているとおりで、小さすぎるせいで気管を通過して肺胞や気道より奥に付着して、喘息や気管支炎を起こす可能性があるのだ。また、小さすぎるせいで市販のマスクでは意味がなく、工事現場などで使用する防塵マスクを以って、やっと吸引防げる可能性があるようだ。

ちなみに、2.5μmくらいの大きさで身近なものをリサーチしてみたところ、「葉緑体の厚さ」が挙がった。光合成をするために大切だと聞かされてきた葉緑体は直径5μm、厚さ2〜3μmほどの凸レンズ状の粒子(「世界大百科事典」第2版)だそうだ。

中国は4倍速ともいわれる経済発展を遂げる反面、このような周辺国にまでわたる環境汚染が以前から問題視されてきた。
街のお店に行くと、今でも多くの「Made in China」があふれているが、その中にベトナムやインドネシアなど東南アジアで作られたものも増えてきたことに気づく。衣料メーカー「ユニクロ」では、現在1割程度の商品がベトナム製だという。

経営層・エグゼクティブ層に特化した人材紹介サービス事業を展開するリクルートエグゼクティブエージェントは、2012年度4ー12月期の東南アジア駐在求人数が対前年同期(2011年度4ー12月期)比142%増となったことを発表している。日本企業の生産拠点として、東南アジアへの注目が高まっていることがわかる。同社では対象エリアを既存のシンガポールに加えて、タイ・インドネシアへも拡大した。現在はタイ・インドネシアへ進出している各国企業の情報収集を行なっている。

同社は、現地にコンサルタントを派遣することで、上場企業を中心とした駐在人材のネットワーク構築を行っている。

同社では、東南アジアの求人増加の理由として、「中国国内で近年高まっている、労働者らの賃金引き上げ要求や人民元切り上げ問題の影響から、海外企業が生産拠点をタイやインドネシアなどの労働コストが低い東南アジアへシフトしたことで、需要が高まっている」とみているが、今回の大気汚染問題も要因のひとつなのではないだろうか。

(Photo by SFCityscape