ここ最近、まるで示し合わせたかのようにきれいな文字を書くことが注目されている。テレビ朝日「中居正広の怪しい噂の集まる図書館」での美文字コーナーや、長澤まさみさんがボールペン字を習得して生活を充実させていくさまを描いた通信講座ユーキャンのCMなど、テレビでも、美文字に関係するものをよく見かける。

美しい文字を書くためには、正しい書き順の知識が欠かせない。というのも、書き順は、きれいに書くために先人が発明したものであるからだ。
「右」と「左」では、一画目が「左」だと横棒で、「右」だと「はらい」になるのだが、これも美しい漢字を書くための先人の知恵である。
とはいえ、中には書き順に迷うものもある。その代表が「必」。さて、あなたの書き順は正しいだろうか? 実は…、正解は3通りもある! 中国式も含めると4通りにもなるのだとか。

こんな、書き順の知っているようで知らなかった話が満載のコミックが発売した。そのタイトルは、「意外に知らないけっこう間違いやすい漢字」。
この本には書き順の他にも、漢字の意外と知られてない話がたくさん盛り込まれている。
読み、書き、それからウンチクなどだ。

さてここで、この本に載せられている漢字の話の一部を、クイズ形式で紹介しよう。あなたは、何問解けるかな?

1.「肉汁」は何と読む?

2.営業会議に向けて、資料を事前に「はいふ」しておく。この「はいふ」、漢字で書くと「配布」と「配付」のどっちが正しい?

3.「卵」と「玉子」の違いは?

4. 88歳は米寿、99歳は白寿。では、108歳は?

5.「躾」「峠」「畑」「働」「笹」 このうち中国発祥の漢字でないのは?


さて、気になる正解は…、

1.「にくじる」だと不正解! 「にくじゅう」が正しい読み方。熟語は音読みないし訓読みで統一するのが基本だから。「にく」は実は音読みなので、「汁」のほうも訓読みの「しる」ではなく「じゅう」を使う

2.「配付」が正解。「配布」だと不特定多数にばらまくことを指すので。一方で「配付」は、特定の人たちに配る意味で使われる

3.「卵」は殻つきの調理前の状態で、料理した状態のものが「玉子」

4.茶寿(ちゃじゅ)。「茶」の字のくさかんむりを「十十」と分解して20、下の「八十」「八」をすべて足すと…

5.すべて日本発祥の漢字。「畑」「働」は現在では本国中国でも使用されており、これらを「和製漢語」とよぶ。ちなみに、国名に入っている「人民」も「共和国」も和製漢語だとか。


著書は元小学校教員の卯月啓子先生。
卯月先生は、ユニークな学習法を生み出すことでお馴染みの人物だ。例えば、正しく書けなかった漢字を借金に見立て、わかったものから“返済”できる「漢字銀行券」といった、ゲームみたいな漢字学習法を提唱。子供や親だけでなく、同業者である教員からも絶大な人気を誇るという。


この本で、漢字の正しい知識をマンガで楽しく学んで、正確な漢字の読み書きや、きれいに書くための書き順を憶えてみるのは、いかがだろうか?