大阪・関西国際空港を拠点とする日本初のLCC(格安航空会社)のPeach(ピーチ・アビエーション)が3月1日、就航して1年を迎えた。これに合わせた記念式典が、関空のLCCのターミナルで行われた。
朝6時半、札幌(新千歳)便などの搭乗案内とともに、ピーチ・アビエーションの井上慎一CEO(最高経営責任者)や客室乗務員らが乗客を見送った。その後、10時半からの記念式典で、井上CEOは「就航当初からかつてないチャレンジで、目標だった利用者150人を1.5ヶ月前倒しで達成するなど、ピーチが掲げる“空飛ぶ電車”が多くの方々にご支持いただけている。今年最大の目標は、運航率を上げること。関西国際空港を拠点とする唯一の航空会社として、今後も地元(関西)を大事にする心を忘れず、安全かつ、おしゃれな、“おもろい”会社を目指したい」などと語った。

その後、ケーキに見立てた高さ1.5メートルの特製モニュメントをカットして就航1周年キャンペーンを発表。長崎県の「ながさき龍馬くん」、鹿児島市の「ぐりぶー」、福岡県の「聖徳明太子」などのご当地キャラクターも登場し、4月12日に就航予定の仙台からは宮城県の「むすび丸」もやってきた。
※就航1周年キャンペーンはすでに終了

ピーチは昨年3月1日、札幌(新千歳)と福岡の2路線、1日7往復でスタート。現在、国内線5都市、国際線3都市の8路線23往復まで拡大した。4月12日に大阪(関西)−仙台、6月14日に大阪(関西)−新石垣、9月13日に大阪(関西)−韓国・釜山、沖縄(那覇)−新石垣の各路線を開設する予定。

日本のLCCブームを牽引するピーチは、女性の利用者が約5割を占め、ビジネスやレジャーなどのジャンルにとらわれない帰省や介護、単身赴任先の訪問などの利用も見られるといい、台湾と香港を結ぶ路線では外国人の利用者も多いという。実際、ピーチを利用すると若者や外国人らの姿をよく見かけ、ちょうど1年前、ゼロからスタートした形のピーチが日本のLCCとして早くも定着しつつあるのを実感する。

一方で、キャンペーンとともに発表された新たな機内エンターテイメント「high!」(ハイ)の提供など、チャレンジする姿勢はこれまでと変わらない。このサービスは、ピーチの国内線を利用する人を対象に、空港ターミナルの専用Wi-Fiから映画やドラマ、ゲームなどのコンテンツをスマートフォンにダウンロードし、空港や機内で楽しめる。さらに、LCCをテーマに、ピーチの機内や関空などで撮影が行われたテレビドラマ「チープフライト」も先日放映され、話題となった。

※「チープフライト」は3月1日に日本テレビ系で放映。関連グッズ展示はすでに終了

ピーチの登場により、これまでより手軽に飛行機に乗って“旅”ができるようになった。他のLCCも含め、今後ますます日本の空が活気づくのを期待したい。


Peach ピーチ