1
例えば「NH203便」と言われると、誰も飛行機だと何も疑わないはず。NH203便は、ANA(全日空)で羽田からフランクフルトに向かう便なので間違いなく飛行機なのだけど、先日「UX380便」に乗ろうとして“飛行機がなかった”現実に直面。その実態は・・・

UXは、スペイン・マヨルカ島を拠点とする航空会社「Air Europa(エアヨーロッパ)」。イタリア・ミラノからスペイン・セビーリャに行くため、エアヨーロッパの英語のページで出発地と行き先を入力すると、11時ミラノ発マドリッド行き、17時マドリッド発セビーリャ行きの2つの便が並んで表示されました。それぞれにUXの便名が付いています。

価格も手頃だったのですぐ予約。出発前にオンラインチェックインをしようとしたら、ミラノ〜マドリッドはすぐできたのに、マドリッド〜セビーリャは“問い合わせ”(スペイン語)の表示が。問い合わせ先がスペインの電話番号で、スペイン語に自信がない身としては不安だけど現地まで行って聞いてみるしかない・・・と、一抹の不安を抱えたままミラノに飛びました。

空港のカウンターでたずねるとスタッフはすぐ「あら、この便、飛行機ないわよ」と、あっさり。飛行機がない!?・・・いきなり言われて半ばパニックに。以前、同じスペインのイベリア航空でストライキに遭遇したことがあり、あの時の便の変更が大変だった経験が蘇りました(思えばあれも同じミラノ発マドリッド行きだった!)

「マドリッド〜セビーリャは、鉄道。マドリッドで問い合せてね。荷物はセビーリャまでOK」(英語)とサッサと手続き終了。後ろを見ると長蛇の列で申し訳なくその場をあとにしたものの、鉄道なのは別に構わない、ふと、預けてしまったスーツケースが不安になりました。セビーリャといっても、鉄道駅と空港・・・どっち? ※鉄道駅と空港は離れている

マドリッド・バラハス空港に着いてすぐ、手荷物紛失カウンターにダッシュ。英語で事情を説明し、スーツケースを探し出してもらうことに。その後、エアヨーロッパの窓口に走り、再び英語で説明して鉄道(AVE)のチケットを発券してもらいました。再度、スーツケースを探しに戻ると、すでに見つけてくれていてひとまずホッ。スペインの首都にある巨大空港にも関わらず1時間もかからずに探し出してくれたスタッフにちょっと感動。

空港から、セビーリャ行きの鉄道が発着するアトーチャ駅までは連絡バスで。「黄色いバスに乗ってね」と、エアヨーロッパのカウンターで言われた通りに乗ると終点でわかりやすかった。マドリッドからセビーリャまでは高速列車「AVE」で2時間超、無事にセビーリャに到着です。

話を戻すと、「飛行機+鉄道」のセット販売は、ヨーロッパではすでに主流のようです。後日、ベルギー・ブリュッセル南駅では「Air France(エールフランス)」のカウンターを見かけました。ブリュッセル発でフランスの高速列車「TGV」でシャルルドゴール空港への直通列車がありますから、確かに、飛行機で飛ぶより時間もコストもかからないことも。日本だとLCCと新幹線のコラボレーションのようなものでしょうが、ヨーロッパが交通インフラで“先行”しているのをまた実感した次第です。
2

Air Europa

(Written by Aki Shikama)