大阪といえば、たこ焼きやお好み焼きなどの“粉もん(コナモン)”グルメがまず思い浮かぶ。その数々のコナモンを文化として大阪から発信する「日本コナモン協会」が、今年5月7日の“コナモンの日”に設立10周年を迎えた。
日本コナモン協会は、コナモンを愛するメンバーが集まり、2003年に設立された。そのメンバーには、『たこやき』『「粉もん」庶民の食文化』などの著書で知られる生活文化家の熊谷真菜会長をはじめ、民族学者の石毛直道氏、雑誌『あまから手帖』主管の門上武司氏ら、日本の“食”を語るに欠かせないそうそうたる人々が名を連ねる。5月7日をコナモンの日(57=粉・コナ、日本記念日協会認定)と定め、これまで全国や海外で「たこ焼き教室」や各種イベント、道頓堀にコナモンミュージアムをオープンするなどコナモン文化の普及活動を続けてきた。
そして、今年5月7日、大阪・心斎橋にある大丸心斎橋店の前で、設立10周年記念イベント「だしツッコミ会議」を開催した。
この「だしツッコミ」とは、日本コナモン協会によると、だしが実は大阪が発祥であることに由来する。古くは、茶道の“わび茶”を確立した千利休が、自身の茶会で提供した茶菓子「麸のやき」に始まる。麸のやきは、お好み焼きのルーツといわれ、当時、小麦粉を水で溶いて薄く焼き、みそなどをぬって巻いて食べたという。その後、だしに浸かったかけうどん「大阪うどん」やたこ焼きの元祖・ラジオ焼きなどが登場して今日に至る。
当日のイベントでは、お笑いタレントのたむらけんじさんが、“だし入り”“だしなし”のお好み焼きを大勢の観客を前に食べ比べした。そして「だしがある方が大阪の味や」と、だし入りのお好み焼きを絶賛。熊谷会長も「お笑いと同じ、だしのツッコミ(突っ込み)がコナモンの命」とアピールした。
また、イベントの来場者向けに、大阪の軟水と市販の硬水でとった昆布だしの試飲なども実施。「同じ昆布だしでも味がぜんぜん違う」との感想が大半を占め、「今後、自宅などでお好み焼きを焼く時に“だしツッコミ”でだしを入れる」との声もとても多かった。
日本コナモン協会では今後、「うまさの基本は、だしツッコミ!」をキーワードに、コナモンの魅力をさらに発信していく。今後の活躍ぶり、要チェック!
画像提供:日本コナモン協会
(Written by Aki Shikama)