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人類で初めて飛行機で飛んだのがライト兄弟なのは有名な話です。でも実は、そのライト兄弟の偉業から16年も前の大正4年(1915年)、日本で初めて“動力飛行機”を飛ばした人物がいたことは、意外と知られていないかもしれません。

その人物は、二宮忠八(1866-1936)。Wikipediaによると、陸軍従軍中の1889年に「飛行器」を考案し、その翌年、ゴム動力による模型飛行器を製作したとあります。この飛行器の実用化につなげる申請は軍に認められず、独自に人間が乗れる実機の開発を目指したものの、完成には至らなかったようです。

京都府八幡市に、二宮忠八が私財を投じて創建した「飛行神社」があります。先日、その飛行神社に足を運びました。

京阪本線八幡市駅から歩いて5分ほどの住宅地に、その神社はありました。神社の入口にいきなりF104戦闘機のジェットエンジン(本物)が展示してあり、いきなり度肝を抜かれそうになりました。

入口を入り、階段を上った左手に、昭和58年(1983年)に大阪湾から漁網にかかって揚げられたという零式戦闘機のエンジンが置いてありました。航空マニアにはたまらない場所でしょう。

そして本殿があり、飛行神社のパンフレットによると、正面が大阪府交野市にある磐船神社の御祭神・饒速日命(にぎはやひのみこと)をまつり、右には航空殉難者と先覚者の御霊をまつる祖霊社、左に二宮忠八にゆかりある製薬業界を御祭神にまつる社殿がありました。

境内にかかる絵馬には「客室乗務員に合格しますように」「飛行機での旅が無事に行えますように」といった航空関係の願い事がズラリ。飛行機がデザインされた“航空安全守”などもあり、航空会社や航空自衛隊などの参拝客も多いそうです。さらに、二宮忠八ゆかりの自筆資料や写真などを展示する資料館(有料)も併設されていました。

旅の安全を祈願する、また“航空マニア”にはたまらない日本で唯一であろう飛行神社。参拝客用の駐車場もあるので、一度訪れてみてはいかがでしょうか。
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飛行神社