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(C)Asami Inoue
 
広島県広島市在住のイラストレーター井上朝美の個展が北青山で始まった。
2011年までMazdaに勤務し、車のカラーデザイナーという仕事に携わっていた彼女のこれまでのプロフィールと、イラストレーターとして今回の個展に懸ける思いをお届けします!


──まずプロフィールから質問させてください。前職のカラーデザイナーってどんな仕事ですか?
「担当車種の外装(ボディーカラー)から、内装の色やシート表皮材、樹脂部品の表面処理、華飾部品の柄など、車の色と表面素材の様々なデザインをするお仕事です。
これまで女性向けのコンパクトカーから、家族向けのミニバン、セダンなど、
様々な車種を担当させて頂きました。」

──それは凄い!自分の担当した車を町で見かけると嬉しくなりますね!今のお仕事にも生きている経験などはありましたか?
「直接的な影響は分かりませんが、やはり絵の中での配色や素材の見せ方などは、
カラーデザインのお仕事で培ってきた経験が活かされているかな、と思います。」

──なるほど。では、これまでどんな作品を描いてこられましたか?
「イラスト自体は美術の大学に通っている時から、好きで描いていました。
会社勤めしてる時も、仕事と並行して描いていて、その時は仕事ではなかったので、
本当に好きに描いていました。
今と変わらず、アナログで手描きのイラストを描いていました。」

──会社勤めを辞め、イラストレーターとして生きていこうと思ったきっかけは?
「これまで、ずっと絵を描く仕事がしたいと思っていましたが、やはりそれだけで生計を立てるのは難しいと思い、思い悩んでいました。
そんな時、ある有名な作家さんにお会いしてイラストの学校を紹介して頂き、働きながら1年近く学校に通っていました。その学校でイラストレーターとして第一線でご活躍されている作家さんに実際にお会いして話を聞くことで、やっぱりこの世界に行きたい!と強く感じたのが最終的なきっかけだったと思います。」

──実際イラストレーターになってみて、良かったことや悪かったことなどありますか?
「やはり絵を描くことが好きなので、好きなことが仕事として出来る有り難さは日々感じています。悪かったことは…なんでしょう…。やはり会社勤めの頃と比べて、不安定な職種だと思いますが、それは覚悟して選んだ道なので後悔はしていない…と、言わせてください!苦笑」

──今回の展示にはそれらの思いの全てが凝縮されている…といった感じでしょうが、どういった経緯で?
「これまで広島などでは何度か個展をしたことはあったのですが、やはり今後、お仕事としてイラストを描いていく為に、より多くの人に作品を見てもらいたいと思い、今回東京での個展を開催しました。
青山、表参道界隈は、イラスト専門のギャラリーも多く、その中で今回ご縁があって、
こちらのギャラリーハウスMAYAさんで開催させて頂くことになりました。」

──見どころは?
「…………全部です!!笑
ですが、今回は夏に開催する展示ということで、夏らしい涼やかな動植物を組み合わせて描いています。タイトルになっている“らうらうじ”とは、古語で、一般的に「洗練された、美しい、上品な、面白みのある」とか、そんな意味があります。
でもどちらかと言うと「らうらうじ」という独特な言葉の音の響きに惚れて選びました。」

──そういえばプロフィールに“ダジャレをこよなく愛する”とありますが、ダジャレが作品のモチーフになっているものなどありますか?
「ダシャレ…とも言いにくいのですが、作品の中に“瓢箪鯰(ひょうたんなまず)”
というのがあり、その名の通り、瓢箪と鯰の絵が描いてあります。
瓢箪鯰とは、ツルツルした瓢箪で鯰を捕まえようとすること。
つまり、「物事が進まない、要領を得ないこと」などの意味があります。」

──ちなみに…とっておきのダジャレはありますか?
「すぐには思いつきません!!汗」

──では後ほどゆっくり伺うとして…(笑) 最後にメッセージをお願い致します。
「やはり、イラストレーターとして、もっともっと色々なお仕事がしたいです!
自分の作品が世に出ることで、少しでも多くの方に喜んで頂けたらそれ以上に嬉しいことはありません。ですので、あまり絵に興味のない方でも、涼みにくる気持ちで気軽にお越しくださいませ。お待ちしております〜っ!」


井上朝美展「らうらうじ」
期間:2013年7月8日(月)〜 7月13日(土)
会場:GALLERY HOUSE MAYA
住所:東京都港区北青山2-10-26
時間:11:30〜19:00(最終日は17時まで)
入場:無料

(Written by マス・D・タカシ)