世界で「鉄道」に乗って旅をするのは楽しい。国それぞれで特徴があり、車両やサービス、車窓の風景などガラリと違う。特に、日本の新幹線や特急にあたる高速列車は、日本語や英語のページがあったり、インターネットで事前予約ができたりと利用しやすく、普通列車などと比べると遅延する確率も少ない。
世界で有名な高速列車といえば、フランスの「TGV」、ドイツの「ICE」、ベルギーの「タリス」、イタリアの「ユーロスター」「イタロ」、アメリカの「アセラ」、韓国の「KTX」などがパッと思い浮かぶ。先日、スペインを訪れた際には「AVE」に乗った。
AVEは、”Alta Velocidad Espanola” (スペインの高速)の略称。スペイン語で「鳥」という意味もあり、翼を広げた鳥がシンボルマークだ。1992年のセビーリャ万博に合わせ、マドリッド〜セビーリャ間で開業して以来、マドリッド・アトーチャ駅を拠点にバルセロナ、バレンシア、サラゴサ、トレド、マラガなどの路線を持つ。AVEの車両は当初、フランスのTGVの技術供与を受けて造られたものが運用されていたが、マドリッド〜バルセロナ間では、ドイツのICE車両を基本としたヴェラロE、国内で開発されたタルゴ車両なども登場。時速は最高300km/hにも達する。
今回、乗車したのは、マドリッド〜セビーリャ間。1時間1〜2本ペースあるメイン路線だ。AVEの乗り場に行く際、まるで飛行機に乗る時のような手荷物のX線検査があって驚いた。いったん入場すると出るのも難しいが、ヨーロッパではターミナル駅でも改札がないのが一般的なので、不審者が容易に入れないシステムは治安面で不安なスペインだととてもありがたい。夕方の時間帯だったからか、中の待合場所では人があふれ、床に座る人もいるほどの“カオス”状態。出発直前にホームの番号が表示され、再度、ゲートで乗車チケットのチェックを受けて列車に向かった。
座席は、クルプ(特等車)、プレフェレンテ(1等車)、トゥリスタ(2等車)の3クラス。自分は2等車だったが、新幹線の普通席にあたり、十分快適だったが、シートは固定式で回転しない(※ ヨーロッパでは多い)。天井に設置されたモニターでビデオサービスがあり、列車が発車すると車掌が専用イヤホンを配ってきた。なお、特等車と1等車は食事サービスもある。
乗ったAVEは途中、コルドバで停車したのみで、約2時間強でセビーリャに定刻で到着。AVEの場合、15分以上30分未満の延着で料金の50%、30分以上の延着で100%の払い戻し制度があるからか、列車が遅れることはほぼ皆無だという。
Renfe
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