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日本の落語界は、大きく「江戸落語」「上方落語」に二分される。上方落語の本場は大阪であり、上方落語協会の会長を務める桂文枝さんをはじめ、人間国宝に認定されている桂米朝さんら、テレビなどで活躍する有名人も数多く輩出する。

この上方落語の年に1度のファンイベントが『彦八まつり』だ。毎年9月第1土曜日・日曜日の2日間、大阪市天王寺区の生國魂(いくたま)神社で開催され、今年で23回目となる。今回の実行委員長は、月亭八光さん。「上方落語ファンなら必ず足を運ぶ」ともいわれる恒例のこのイベント、現地の模様をレポートする。

神社の鳥居をくぐると、中高年の上方落語ファンや家族連れらで境内は朝からごった返していた。その境内は決して広くないが、40以上もの出店ブースが所狭しと立ち並び、人気ブースの前はまっすぐ歩けないほど。この会場の熱気と残暑が重なって思わず汗がダラダラと流れてきたが、会場のスタッフが彦八まつりのうちわを無料で配っていたのはとてもありがたかった。

ちなみに、彦八まつりは“上方落語の祖”と伝わる米澤彦八にちなんだ名称。生國魂神社の境内には、上方落語発祥の地として米澤彦八の碑がある。

さて、会場では、落語家(噺家 はなしか)たちによる出店ブースが特に人気だった。ブース毎に「文枝」「春団治」「鶴瓶」といった一門のプレートが掲げられ、その内容は、ヨーヨーつり、焼きうどん、たこ焼き、射的、一門のグッズ販売など。一門の弟子たちが主に売り子やスタッフなどを務め、中には長蛇の列ができているブースもあった。

例えば、林家小染さんによる「小染茶屋」ではこのイベントでいまや恒例となった“チヂミ”を目の前で焼いて販売し、しかも小染さん自ら店頭に立って呼び込みしていた。また、露の都さん本人による“占い”ブースがあったり、桂小春団治さんのダーツゲームでも本人がダーツの矢を投げる客を応援したり。しかも、この日ばかりは噺家たちもファンが差し出すサイン色紙や一緒に記念撮影にも気軽に応じる様子が見られた。

ステージでは、落語家(噺家)による「住より踊」の奉納や、落語の舞台上で演目をめくる「お茶子」クィーンを決めるコンテストなどがあり、参集殿では人気タレントや漫才師らも参加する「奉納落語会」も行われていた。

上方落語に足を運ぶとなるとなかなか敷居が高いイメージがあったが、この彦八まつりでは、お目当ての落語家(噺家)と直接会う、サインをもらうチャンスがあり、しかも入場無料のイベントなので、誰もが気軽に行って楽しむことができると感じた。今後も開催される予定なので、ぜひ足を運んでみてはいかが?
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上方落語協会