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老化の原因のひとつとして知られているのが、活性酸素の発生。
活性酸素の過剰な発生によって、コレステロールを酸化させれば動脈硬化や血管系の病気を引き起こし、制ガン遺伝子が破壊されれば発ガンにつながることもある。
このような大きな病気につながる以外に、表皮細胞に酸化が起こればシミやくすみを作り、真皮ではコラーゲンなどの繊維や繊維芽細胞にダメージを与えて、しわやたるみをつくってしまう。

しかし、最も活性酸素の被害を受けやすいのが、実は脳細胞だという。

脳はエネルギー、酸素の消費量が多いため、活性酸素による被害もまた受けやすい。認知症などにも活性酸素が深く関わっていると言われている。
加齢とともに、体内で創りだされる活性酸素に対抗する抗酸化酵素は減っていき、さらに脳の神経細胞もまた加齢とともに減っていて記憶力が衰えたり、思考力が低下したりしてしまうため、年齢とともに活性酸素が脳に与える被害のリスクは大きくなっていく。

生命活動の中枢である脳を活性酸素から守ることが、とても重要なことがわかる。

脳の老化を抑えるためには、加齢とともに減ってしまう抗酸化酵素を別の方法で補う必要がある。これらは食べものなどで日常的に補っていくことができる。

脳を活性酸素から守る最適なビタミンとして有名なのはビタミンE。
脂質の多い脳に浸透して活性酸素による酸化を防いでくれる。また、血流を良くして記憶力の向上や集中力を高めるなど、脳機能の改善に有効だ。

ビタミンEの他に抗酸化物として知られているのはビタミンCで、ビタミンCにはこれらの効果だけでなく、酸化されたビタミンEを再生させる作用もある。ビタミンEを摂るのと同時に、ビタミンEの働きを支えるビタミンCも一緒にとることが、効果的な活性酸素対策といえるだろう。

栄養を摂取するにあたって考慮しなければならないのが調理による栄養素の損失だ。
フルーツなど生で食べられるものは調理による損失を受けることがなく、有効な栄養の摂取方法だが、生で食べることが少ない食材も多い。

酸化を防ぐビタミンE、ビタミンCの損失を抑える観点から有効な調理方法は、「炒める」こと。
ビタミンCは水に溶け熱に弱い性質から、茹でたり煮たりするよりも、炒めるほうが、損失が少なくて済む。水に溶けだしてしまうので、ゆで汁や煮汁を使ったスープも有効だ。
逆にビタミンEは油に溶けるので、油で炒めるのがおすすめの調理法となる。

高齢化社会に向けて注目が集まる抗酸化の要、ビタミンE。有効な知識を身につけて、効率よく摂取していきたいものだ。

トラブルバスタービタミンEサイト

(Photo by s3k