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日本では、2012年が“LCC元年”と言われています。昨年3月、大阪・関西国際空港を拠点とする「ピーチ」が運航を開始して以来、「ジェットスター・ジャパン」「エアアジア・ジャパン」が続き、既存の「スカイマーク」「ソラシドエア」「エアドゥ」「スターフライヤー」などの新興エアラインも合わせ、リーズナブルな運賃で飛行機での旅がグンと身近になりました。

そのLCCの先駆けはアメリカとヨーロッパです。特にヨーロッパでは、アイルランドの「RyanAir(ライアンエア)」、イギリスの「easyJet(イージージェット)」をはじめ、無数のLCCが上空飛び交っているといっても決して過言ではありません。

イージージェットには、2009年に初めて乗ってからほぼ毎年、ヨーロッパでの“足”として利用しています。が、今回、LCCの競争がより激化しているのを実感しました。

まず、イージージェットのウェブサイトで航空券を予約。一番安い運賃に加え、スーツケース1個分の手荷物を追加料金で。LCCの場合、空港でのチェックイン時に追加料金を支払うより、ネット上であらかじめ支払っておくほうが安いことが多いです。あとは出発前に再びネット上でチェックインをする(※ 最近は公式アプリもあってチェックインもできる)、できれば「eチケット」を印刷して持参すれば完璧・・・と思ったら、翌日から“メール攻撃”に遭いました。

まず、「あなたの席をお待ちしています」と、座席指定をしきりに勧めてくる。次に、「現地のホテルは決まりましたか?」と行き先だったフランス・パリのホテルを勧めてきました。さらに、「現地でのレンタカーを割引価格で提供!」「荷物は増えていませんか?」と、1日に1通ずつ次々とメールが送られてくる。申し込んだら当然すべて“有料”です。

LCCの経営は、運賃そのものよりも手荷物の追加やホテル・レンタカーなどのオプション料金で稼ぐシステムを採用する航空会社がほとんど。最もLCCで成功したといわれるイージージェットももれなく該当し、最初は「興味深い」と思ってメールを受信していたものの、さすがにだんだんうっとうしくなって「配信停止」にしました。いざとなれば、サイトのマイページにある「予約確認」でオプション追加できるわけから。

いまや大手航空会社も次々と独自のLCCを立ち上げる時代。中長距離路線は大手航空会社(レガシーキャリア)で、短距離路線はLCCで・・・というパターンが、ヨーロッパでは急速に進んでいる気がしました。
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EasyJet

(Written by Aki Shikama)