社会現象を巻き起こし、大人気のうちに大団円となった連続テレビ小説「あまちゃん」。その興奮も冷めやらぬうちに、「あまちゃん」に続く新しいドラマとして注目される「ごちそうさん」の放送が9月30日から開始している。
舞台は東京と大阪。
東京下町で当時はまだ珍しかった洋食の店「開明軒」を営む家庭の下に生まれ、おいしいものめいいっぱい食べて、人一倍食いしん坊に育ったヒロイン・卯野め以子(杏)。
大阪出身の下宿生に恋をし、大阪に嫁ぐことになった東京の洋食店の娘が、「食べること」を尊重し、たくましく生きる半生を描く。
物語のはじまりは明治44年。6歳のめ以子は、子役・豊嶋花が演じる。
「新しい卵で作るオムレツが食べたい」と学校の鶏小屋に忍び込んだり、祖母のトラ(吉行和子)に盗み食いをしないと誓った先から当時は珍しくて食べ物かどうかも定かでなかったイチゴにいの一番かぶりつくなど、め以子は食いしん坊ぶりを発揮する。これまでの放送では食べるシーンが多いのだが、本当に美味しそうに食べている豊嶋花ちゃんが非常にカワイイ。
祖母のトラは、そんなめ以子の一番の理解者。
「食べたい気持ちが強いってのは、生きる力が強いってことだよ」と、食いしん坊なめ以子の成長を見守る。
このドラマのタイトルにもなっている「ご馳走さま」は、馬を走らせて食材を整え、心をこめて客をもてなすことへの感謝の言葉という意味であることを教え、め以子の人生の原点を形づくった。この「ごちそうさん」は毎週特別な意味を持つ。
料理に絶対の自信を持っており、おいしいものを作るために手間を惜しまない父の大五(原田泰造)と、腕はいいが金勘定が苦手な夫を支え、接客から経理まで、洋食屋の切り盛りを一手に引き受けているしっかりものの母・イク(財前直見)。
これまでのストーリーには登場していないが、後の夫となる悠太郎(東出昌大)など大阪の登場人物も個性的で魅力があり、エネルギーあふれるストーリーが展開されていく。
不器用で難しいことはわからないけれど、人を想う気持ちは人一倍のめ以子。悠太郎の“毒舌”をきっかけに「食べたい」という気持ちから「食べさせたい」という情熱に変わり、様々な人との一期一会を繰り返しながら成長していく。
平成24年度前期の「梅ちゃん先生」以来、2作ぶりに昭和期が舞台の本作。大人気となった「あまちゃん」に続き、杏さん演じるめ以子のパワフルな奮闘ぶりに期待ができそうだ。
<総合>(月〜土)午前8:00〜8:15 午後0:45〜1:00(再)
<BSプレミアム>(月〜土)午前7:30〜7:45 午後11:00〜11:15(再) (土)午前9:30〜11:00(1週間分)