ヨーロッパ内の移動はLCCで安く飛ぶのも手だが、昔ながらの「鉄道」も魅力的。都市部のターミナル駅からすぐ乗れる利便性に加え、車窓から見えるヨーロッパ各地の風景は素晴らしいものがある。
近年、ヨーロッパの主要都市を結ぶ高速列車がどんどん便利になっている。例えば、イギリス・ロンドンとフランス・パリを結ぶ国際列車「ユーロスター」は、最短2時間15分。市内と空港の時間と手間を考えると鉄道の方が使いやすいことも多い。
先日、フランスとベルギーを結ぶ国際列車「タリス」に乗った。
ブリュッセル南駅の切符売り場でタリスの切符を購入。駅構内にタリスの窓口もあるが、切符の販売は行っていないので注意。そして、案内表示板で出発するホームを確認する。他の列車も一緒に表示され、パリ北駅行きは多いので間違えないように。ホームに上がると、真っ赤なボディの車体が停車していたのですぐわかった。
車内も「赤」でデザインがまとめられていてヨーロッパらしいセンスの良さを感じた。自分が利用したのは2等席で、座席は2-2の配列で固定式だから回転しないが、新幹線の指定席並み、いやそれ以上に乗り心地はいい。
車内販売はなく、ドリンクや軽食が買えるバーがあった。ミネラルウォーターのペットボトル(500ml)やエスプレッソが2.50ユーロ(約330円)、ハイネケンのビール缶(500ml)が3.40ユーロ(約450円)、本日のスペシャルサンドイッチが5.20ユーロ(約680円)とやや高め。ホットドリンクとクロワッサンかマフィン、フルーツジュースがセットになった朝食セット6.30ユーロ(約830円)なども。
なお、車内には無料で利用できるWi-Fiが完備されている。タリスのホームページから登録すると自分のメールアドレスあてにアクセスコードが届く。このWi-Fi利用方法が載っているパンフレットが車内の入り口に置いてあり、ほかにも車内のバーで買えるメニュー、タリスの案内などのパンフレットも。フランスの高速列車「TGV」などでは見られないサービスだ。
パリ北駅までの所要時間は最短1時間22分。フランスとベルギーはシュンゲン協定により、パスポートの確認はなく、まるで国内を移動するかのような感覚だった。タリスはほかにもドイツのケルン、オランダのアムステルダムなどにも運行する。運賃はTGVと比べるとやや高めだが速くて快適。おかげで、旅の思い出がまた1つ増えた。機会あれば一度ぜひ乗るのをオススメする。
TALYS タリス
(Written by Aki Shikama)