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かつて“怪鳥”のニックネームで知られた超音速旅客機「コンコルド」。通常の旅客機より、高度5万5000〜6万フィートという2倍の飛行高度をマッハ2.0で飛行し、人類史上ほぼ唯一の超音速旅客機だったため、2003年に全便が運航停止した後もいまだに根強い人気を誇る。

そのコンコルドが現在、フランス・パリのシャルルドゴール空港に展示されている。

展示されている機体はもちろん、かつてエールフランスで運航されていたもの。第1ターミナルと第3ターミナルに近い滑走路脇の場所で、夜になるとライトアップもされる。

以前からシャルルドゴール空港を利用するたび、機内からチラッと見えるこのコンコルドが気になっていた。そして先日、コンコルドを近くまで見に行ってみた。

パリ市内に向かう「RER B線」の第3ターミナル駅から、ヒルトンホテルの方に向かって歩く。ヒルトンの正面玄関からコンコルドが見えるのであとはひたすらまっすぐ道路沿いに歩くと到着した。駅から徒歩5〜10分。空港敷地内なのでそばまではいけないが、かなり近い場所から見ることができた。コンコルドはただ水平に置いてあるのでなく、今にも飛び立とうと離陸する瞬間をイメージして前輪がやや上がった状態で展示されている。

その近くで見た印象として、機体が「細い」と感じた。まるで戦闘機のようだ。実際にコンコルドに乗った方に感想を聞くと「旅客機というより戦闘機のような感じ。音もうるさい」と言っていたのを思い出した。全席ファーストクラスが売りだったコンコルドだが、その乗り心地は一般的な旅客機のファーストクラスと比べるとイマイチだったようだ。

だが、超音速という速さに加え、1960年代に製造開始された機体とは思えないほど洗練された外観のデザインは、近くで見れば見るほど素晴らしいと思った。今では、コンコルドはもちろん日本で見ることはできない。シャルルドゴール空港を訪れた際、時間があればぜひ近くまで見に行ってみてはいかがだろうか。

Aeroports de Paris

(Written by Aki Shikama)