“杜の都”仙台の新たな「旅」スポットを紹介するシリーズ(全6回)。第3回目のテーマは、今年2013年に球団創設9年目で初めてリーグ優勝を成し遂げたプロ野球・パ・リーグの「東北楽天ゴールデンイーグルス」(以下、楽天)です。
2004年の球界騒動から誕生した楽天は、当初はさんざんな成績でした。それでも東北で初めてのプロ野球の球団ということで地元をはじめファンを徐々に増やし、同時にチーム力もつけ、ついにリーグ優勝。その楽天のお膝元、クリネックススタジアム宮城をたずねてみました。
折しもその前日、楽天がリーグ優勝を成し遂げた日でした。前夜のテレビ番組は皆、リーグ優勝の特番。一夜明け、仙台の街を歩くと「楽天、優勝おめでとう!!」の垂れ幕をいたるところで見かけ、百貨店やスーパーなどは一斉に優勝セールを行っていました。
楽天の本拠地、クリネックススタジアム宮城は、JR仙台駅からJR仙石線で2駅の「宮城野原駅」が最寄りです。その前に、仙台駅構内にある楽天オフィシャルショップに立ち寄ると、平日にも関わらず“優勝記念グッズ”を買い求めるファンで長蛇の列でした。
そして、地下の宮城野原駅に着いて改札階に上がると、壁一面が楽天のマスコットキャラクターたちで、改札を出ると球場に向かう出口が同じように装飾されていてすぐわかりました。地上に出て振り返ると、その出口すら楽天バージョン。ここまでご当地球団のためにデコレーションされたJRの駅というのも珍しいのではないでしょうか。
駅から球場まで歩いて3分ほど。もちろん球場の周りも楽天一色で、大人気の“マー君”こと田中将大選手ら選手たちのパネルも並んでいました。この日の楽天は遠征中でしたが、球場の楽天オフィシャルショップにも仙台駅ほどではないにしろ、ファンが優勝記念グッズを買うために店内はごった返していました。
記者が仙台市出身、プロ野球各球団の本拠地をたずね歩く身として感じたのは「地元での愛され度が半端ない」こと。あの球団騒動で分裂したもう一方、オリックス・バファローズは成績がずっと低迷し、人気も今ひとつです。2011年3月の東日本大震災を乗り越え、地元のファンにも支えられて優勝した楽天は、その実力以上のパワーを地元で実感させられました。
東北楽天ゴールデンイーグルス
(Written by Aki Shikama)
それに動員数なら楽天よりオリックスのほうが上ですし。