【大阪都市伝説】扇町公園のベンチは「飛び込み台」である

大阪市北区にある扇町（おおぎまち）公園。地元では“カンテ～レ”でおなじみ、関西テレビの社屋と、親子連れに人気のキッズプラザ大阪がある大きな青い建物がそばにあり、都会の中にある広々とした公園は市民憩いの場として親しまれている。

その扇町公園の南西側入口に、数字が入ったベンチがいくつかあるのをご存知だろうか。

ベンチというよりオブジェとも思える四角いこの設置物は、よくよく見ると1～9までの番号が付いている。これと似たものを夏によくどこかで見たような気がすると感じたら正解で、なんと「プールの飛び込み台」である。

扇町公園には現在もプールが存在する。だが以前、50ｍの競泳プールと飛び込み用のプールを備えた大阪市営の「大阪プール」が存在した。しかもこのプールは当時、世界一の観客収容人数を誇り、ギネスブックにも掲載されたという。大阪プールは現在、港区に移転・新設され、旧大阪プールは1997年（平成9年）に閉鎖・解体された。この飛び込み台は、大阪プールがここにあったことを記念して残されたとのことだ。

なお、この飛び込み台は、加山雄三が主演した映画『海の若大将』にも登場する。作品中、水泳選手役の加山雄三が第４コースの飛び込み台から飛び込んでいるシーンがある。

いまやベンチとなった当時の飛び込み台は誰もが利用できる。プールこそないものの、飛び込み台の上に立ってみて、往年の加山雄三になった気分を味わってみてはいかがだろうか。