大阪が“天下の台所”と呼ばれるようになった歴史は古い。いまや大阪を代表するたこ焼きやお好み焼きをはじめ、大阪の食文化を全国にアピールすべく活動する団体「日本コナモン協会」(大阪市、熊谷真菜会長)によると、茶道を確立したことで知られる千利休が茶会の菓子でお好み焼きのルーツともいえる「麸(ふ)のやき」を提供したのが始まりという。その後、日本初のそば・うどん常設店が開店したり、世界初の先物取引市場・堂島米会所が誕生したりと、大阪は常に日本の食文化をリードしてきた。だからこそ今も“食いだおれの街・大阪”といわれる。
その大阪の中心地、道頓堀に12月3日、日本コナモン協会がプロデュースする、平成版「天下の台所」といえるイベントスペースが新たにオープンしたと聞き、早速、足を運んでみた。
場所は、創業35年、たこ焼きでおなじみ『たこ八』道頓堀総本店。道頓堀のメインストリート・道頓堀通に面し、道頓堀角座や「くいだおれ太郎」のいる中座くいだおれビルにも近い。店舗の1階が立ちカウンター、2階がカウンター席、3階がテーブル席になっていて、1人でもグループでも利用しやすい。
ここでは定期的に「食べくらべ会」が実施される。その第1弾がNHKの朝の連続ドラマ『あまちゃん』で一躍有名になった岩手県久慈市の郷土料理「久慈まめぶ汁」と大阪たこ焼き。先の11月30日に先着300人限定で無料配布され、あっという間になくなった。
久慈まめぶ汁は、煮干しと昆布の出し汁にゴボウ・ニンジン・油揚げ・しめじ・かんぴょう、焼豆腐を加えて醤油で味を整えた後、まめぶ(クルミと黒砂糖を包んだ親指大の小麦団子)を入れて煮込む。まめぶを噛むと、その瞬間に黒砂糖の甘み、クルミの香ばしさが口の中にふわっと広がってとてもおいしい。どこか懐かしい味わいが楽しめる。一方、“すっぴん”の呼び名があるたこ八のたこ焼きももちろんおいしく、食べ比べてみても非常に甲乙つけがたい。
日本コナモン協会では「大阪のこの場所を、全国のさまざまな料理が食べくらべできる拠点にして、大阪の食文化をさらに盛り上げていきたい」と話す。久慈まめぶ汁の提供は期間・数量とも限定。今後の第2弾、第3弾にどんな全国の料理が登場するかも楽しみだ。
画像提供:日本コナモン協会 http://www.konamon.com/
(Written by Aki Shikama)
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