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前回、ご紹介した「この名前だったら嫌だったかも・・・とっても意外な名前の最終選考ボツネーム(モノ編)」。

第一夜がなかなか好評だったということで、早速 第二弾やっちゃうんです。
目からウロコの名前雑学をとくとご堪能あれ。


■「音姫」/「押しっこ」

【最後まで候補に残った、大胆な候補案(だじゃれ)】
女性なら誰でも知っている「音姫」。トイレでのプライバシー音を消す装置である。

音姫が発売されたのは、1988年5月。開発のきっかけは、1978年の福岡での大渇水があったという。日本の多くの女性は、公共のトイレで用をたす際に音消しとして便器洗浄の水を流す習慣があった。いわゆる2度流しである。これだと単純に見積もっても倍の水を余計に使ってしまう。各トイレの設定によるが、1回流すと10〜15リットルもの水を使う。音を消すだけにこれだけの量の水を使ってしまうのは、明らかに資源の無駄使い。そんな無駄使いをなくそうと考え出されたのが、流水音の擬音装「音姫」だった。

TOTOのHPには、「音姫」節水効果事例が掲載されている。それによると松下電器産業(株)で全国43の事業所に「音姫」を1516台取り付けたところ、水道料金を年間6,400万円削減できたのだそうだ。

ちなみに、「音姫」というのはTOTOの商標で一般名称としては「トイレ用擬音装置」と呼ぶ。

そして、商品名である「音姫」。
昔から日本人に馴染みの深い言葉の響きを、商品名にしたネーミングは秀逸ともいえる。
しかし、実は「音姫」に決まる前、候補に出されたネーミング案にはもっと馴染みの深い言葉の響きが案として残っていた。それが「押しっこ」。さすがにあまりにも直接的ということでNGになったとか。

(2009年4月18日 朝日新聞 西部夕刊)


■「北九州市」 /「西京市」

【長老のつぶやきがもとで急きょ変更!!】
5市の対等合併によって誕生した北九州市。新市の名前は全国公募された。実は「北九州市」の応募数は、1位と大差がついた2位だった――。

「あなたが名付け親になってください」。合併前年の1962(昭和37)年3月末、朝日新聞などに市名募集の告知が載った。5月上旬までに13万7千通のはがきが寄せられ、1万9292種類の名前が挙がった。

最も多かった名前は1万2119通の「西京」。北九州は6649通。3位は玄海(4177通)、4位は洞海(4076通)。上位には「北九」「若戸」といったものもあった。

5市の市長と議長による6月の最終選考には、西京、北九州、北九など9候補が残った。小倉市企画課員として合併事務を担当した出口隆・元北九州市助役はその場にいた。

「西京で決まりの雰囲気だった。選考会場に入った人はみんなそう思っていたでしょう。みやびでいいと盛り上がっていた」

ところが、ある長老が一言つぶやいたという。
「『天子様(天皇)がおられた歴史がないのに、京と名乗っていいのかなあ』と。おかしいと主張したのではなくて、低い声でぼそっと。これで雰囲気がいっぺんに変わり、北九州になったんです」と出口さん。

北九州という呼び名は、「北九州工業地帯」などですでに浸透していて、全国に通用するとの結論になったという。

出口さんは最近、地元の菓子店の元社員と偶然話す機会があり、こう言われたという。「あの時、私も一生懸命、『西京』って書いてはがきを出したものです」。「西京」は銘菓の名前としても、市民になじみがあったという。

(2012年10月27日 朝日新聞 西部地方版)


■「東京タワー」/「昭和塔」・「日本塔」・「平和塔」

【13位だったけど、無難だったんで採用決定】
東京タワーは完成する直前まで名前が決まっておらず、公募で名前を決めることとなった。
このとき、1番人気は「昭和塔」で以下「日本塔」「平和塔」「富士塔」と続く。肝心の「東京タワー」は13位(東京塔は9位)だったが、審査会がこれこそふさわしいということで、今の名前に決定した。

「東京タワー」という名前は建築決定時点はもちろん、設計図にもその名はない。
いよいよ電波塔が建てられるということになって、塔にふさわしい愛称を一般公募することになった。応募総数8万6269通。実に様々な名前が集まり、完成直前に名前を決定する審査会が開かれた。
最も多かった名前は「昭和塔」で、それに「日本塔」、「平和塔」が続く。また、空高くそびえているというので「きりん塔」、「アルプス塔」、「ゴールデン・タワー」、皇太子(現・天皇)の成婚が近いので「プリンス塔」というネーミングもあった。ちなみに「東京タワー」という応募は223通、全体の約0.26%でしかなかった。

しかし、ここで思わぬドンデン返しが起きる。審査会の委員長である「話芸の神様」とも呼ばれた活弁士・徳川夢声はその時の模様を講記している。
「(中略)私はその名付け親の一人になった。広くその名を全日本に求め、無数の巨名、偉名、美名、奇名、珍名が集まった中から、私たち委員が選んだ。結局、平凡そのものと思われる“東京タワー”と定まった。
今日に至ってみると、この名こそ最もふさわしきもの!平凡こそ最高なり!」こうして、数あるネーミングの中から、「東京タワー」が選ばれ、昭和33年10月9日に命名式が行われた。

「東京タワー」と応募した223通の人の中から、1名に賞金10万円が贈られることなり、抽選で選ばれたのは神奈川県の小学校5年生の女生徒だった。

(2008年4月5日 読売新聞 東京夕刊)


■「ゴキブリホイホイ」「ゴキブラー」

【親しみやすさを考慮し、ギリギリでチェンジ!!】
「ごきぶりホイホイ」は、最初、「ゴキブラー」という名称での販売予定であった。しかし、どこかおどろおどろしい響きがあり、もっと覚えやすく、親しみやすいものが良いと考え、現在の名称となった。

この親しみやすいネーミングが世間に受けて、発売直後から爆発的な売れ行きとなった。

(ごきぶりホイホイ ニッポン・ロングセラー考 - COMZINE by ntt コムウェア)


いかがでしたか。
こんな紆余曲折を経て、名前っていうのは決まってるんですね〜。
また、こういうネタは芸名とかヒトでもあるみたいなんで、今度はそういったものも紹介させていただきます。


(written by くしBK)


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