1
日本でもLCC(格安航空会社)が次々と就航しています。このLCCの先駆けはアメリカ、そしてヨーロッパです。特に、アイルランドを拠点とするLCC「ライアンエア」は、まさに“飛ぶ鳥を落とす勢い”で、ヨーロッパや北アフリカの各都市に次々と就航し、どんどん路線を拡大しています。

ライアンエアの売りは、他の大手航空会社やLCCよりも「運賃が安い」こと。例えば、イギリス・ロンドンとフランス・パリを結ぶ路線の場合、たった1,000円代、2,000円代というのもザラ。その運賃は、混雑状況や発着時間帯によってよく変動し、ウェブサイトで運賃を確認したら次の日に価格が違った、なんてことはよくあることです。

どうしてライアンエアがここまで運賃を下げられるのか、実際に乗ってみてよくわかりました。

例えば、パリ発ローマ行きの路線だと、パリはシャルルドゴール空港やオルリー空港でなく、さらに郊外の「ボーヴェ空港」で、ローマも主要のレオナルドダヴィンチ空港でなくチャンピーノ空港。また、空港では搭乗橋(PBB、搭乗客用ボーディングブリッジ)を使わないのがお決まりで、PBBがあっても横の階段から搭乗客を外にいったん下ろして階段で搭乗させます。スペインの空港で、隣の搭乗口で遭遇した、同じくLCCとしてヨーロッパ各地に路線を拡大しているイージージェットが、さすがにPBBを使用していたのと大違い。

もちろん、搭乗客の荷物は機内に持ち込む手荷物1個を除いて有料。少しでも重量やサイズをオーバーするとかなりの追加料金を取られます。搭乗券は自宅や職場などで印刷したeチケットが“鉄則”でこれも怠ると莫大な追加料金です。機内販売も当然すべて有料で行われます。

さらに、人件費も節約しているのか、空港のチェックインカウンターはいつも長蛇の列。通常の航空会社を利用する時より早めに空港に行かないといけませんし、万が一、搭乗時間に間に合わなかったら容赦なく置き去りにされます。飛行機の時間が遅れようが、その保証も手厚くありません。

もしも、ライアンエアを利用するならば――(1)荷物が少ない、(2)時間に大いに余裕がある、(3)英語が理解できる、(4)海外慣れしている、(5)ビジネス利用でない、以上5つの条件を満たせていればおそらくOK、1つでも欠けているとなにか“不快”な思いをしないとも限らないので要注意です。ライアンエアに比べれば、日本のLCCはまだまだ良心的な追加料金、ていねいな応対だとつくづく思わされました。

Cheap Flights - Book cheap flights to Europe with Ryanair

(Written by Aki Shikama)