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本日から岡田准一主演の大河ドラマ「軍師官兵衛」の放送がスタートする。

その年の大河ドラマが人気だったのかどうかを推し量る指標とされているのが、全話平均視聴率と最高視聴率、そして初回放送の視聴率だ。

つまり、初回となる本日の放送によって「軍師官兵衛」の評価の３分の１が決定づけられるといっても過言ではない。

また、初回視聴率で人気ぶりを判断しドラマを見始める、という視聴者もいるであろう。そういった意味では、初回視聴率の大きさによって残りの最高視聴率と平均視聴率も決定づけられてしまうのだ。

そこで、放送を直前にして初回視聴率を予測してみることとした。

まずは、過去２０年の大河ドラマの初回視聴率をグラフにしてみた。視聴率はビデオリサーチ社の公表データによる。

（参考：http://www.videor.co.jp/data/ratedata/program/03taiga.htm）
 

１９９４年放送の「花の乱」から、過去２０年のデータをみると、初回視聴率は１７％台から２６％台のレンジであることがわかる。

また、平均値は２２．６％。この数値が一種の境界線になるだろう。

NHKのゴールデンタイムの平均視聴率、同時期に放送されていた朝の連続テレビ小説の平均視聴率など、関連性がみえそうなものと比較を行った結果、その中ではゴールデンタイムの総世帯視聴率と相関が強いことがわかった。

総世帯視聴率（HUT）とは、調査対象の世帯全体のうち、放送局に関係なくテレビを視聴していた世帯の割合。例えば、５世帯のうち３世帯でテレビをつけていれば、その3世帯はテレビを視聴しているとみなされ、HUTは６０パーセントとなる。

テレビを見ている家庭は年々少しずつ減っており、１９９６年に視聴率２６％を取るよりも、２０１４年に２６％を取る方がずっと難しいといえる。

漸減するHUTを基に算出した「軍師官兵衛」の初回視聴率は、２１．０％。

先述の平均値よりもかなり低く、昨年放送の「八重の桜」を下回るという結果となった。

 

テクニカルだけでなく、ファンダメンタルにも注目してみたい。

グラフの数値はあるルールにそってマルをつけてある。

ピンクのマルは女性が主演となっている作品。そして赤いマルのついた９８年「徳川慶喜（本木雅弘）」、０４年「新選組！（香取慎吾）」、０５年「義経（滝沢秀明）」はジャニーズ出身の俳優が主演となっているもの。

２５．３％、２６．３％、２４．２％と、どれも好結果をたたき出していることがわかる。

「軍師官兵衛」も、ジャニーズ事務所所属の岡田が主演で、ジャニヲタであれば初回くらいはとりあえず見るであろうことを考えると、少なくとも０５年「義経」の２４．２％と同程度の視聴率に達する可能性は高い。

２０年間のグラフをさかのぼって、ある法則を発見した。

それは、低視聴率の作品の直後は、高確率で視聴率が跳ね上がっているということだ。

久々の２０％割れとなった２００１年「北条時宗」の翌年、０２年「利家とまつ」は２６．１％をマーク。翌年「武蔵」で２１％台に落ち込むが、そのまた翌年の「新選組！」では２６．３％という結果に。

２０１２年に歴代最低視聴率を叩きだした「平清盛」に対し、翌年の「八重の桜」が２１．４％にとどまったのは、それまで最低視聴率だった９４年「花の乱（１７．９％）」から９６年「秀吉（２６．６％）」にかけての形状に近く、２年がかりで上昇していくかもしれない。

９４年から９６年の推移から「軍師官兵衛」の初回視聴率を算出したところ、２５．８％という結果になった。

いくつかの視点から二種類の予想を出したが、黒田官兵衛は知将として知られ、松本人志もその魅力を語るというほど。さらに男性も認めるジャニーズ有数のイケメン、岡田クンの主演とあることを考えると、後に挙げた２５．８％を本命としたい。

（Written by 笹川太志）