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意識して食事をしていても「栄養ちゃんと取れてますか?」と聞かれて、ギクッとなってしまうのは私だけではないはず。でも、そんな人でなくても気を付けた方がいいかもしれない「新型栄養失調」という言葉をみなさんご存知だろうか?

キウイでお馴染みの「セスプリ」が、20代〜50代の男女823名を対象に「朝食」及び「栄養バランス」に関する調査を行っている。それによれば、朝食の栄養バランスが悪く、きちんと食事をとっているつもりでも、実際には栄養不足の可能性があるのだという。

この調査によれば、朝ごはんは「パンやごはん」「飲み物だけ」という人は約3人に1人いることがわかっているが、これらの人たちの4割は食事の栄養バランスがちゃんと取れていると思い込んでいるのだ。

医学博士でもあり管理栄養士の本多京子氏によると、実際にはこれは理想的とは言えず、「食べればいいというわけではありません。トーストとカフェオレの食事にゆでたまごを1個加えたとしても、食物繊維やビタミンCに関してはまったく期待できず、本来朝食に必要なビタミン、ミネラル、食物繊維などの栄養素が不足してしまいます。朝食で足りない栄養素を昼食や夕食で補い、3食トータルで栄養バランスを整えようとしても、外食などをすれば結局思い通りになりません」と警告する。つまり、3食正しい栄養バランスの食事が大事なのだ。

ちなみに、この状態に該当する人には「おならが臭くなる」「ゲップがよく出る」などの症状を訴える人が多いのだが、これは朝食の栄養不足によって腸内環境が悪化している場合に現れやすいというデータもある。

朝食の例と合わせ、現代は誰でも好きな時に好きなだけ、好きなものを食べられるため、栄養摂取の格差も広がっている。太り過ぎを気にして必要な栄養がとれていなかったり、低栄養の食事で満足するなどの誤った栄養バランスにより、3食しっかりとっているつもりでも実は低栄養状態に陥る、新型栄養失調が増えているのだという。


新型栄養失調に関するものは他にもある。
戦後の食糧難の時代に叫ばれた栄養失調とは異なり、体型がふくよかな人でも栄養状態が良いとは限らない。特に高齢女性はその傾向が顕著で、将来寝たきりになってしまうこともあるという。
人間総合科学大学の熊谷修教授によると、栄養状態の指標となる血液中のタンパク質の6割を占めるアルブミンが1リットルあたり3.8グラムあれば正常範囲だが、4.0付近で老化に伴う筋力低下から要介護な死亡のリスクが高まるという。


とは言え現代人にとって実際問題この状況の改善は難しい。そもそも「分かってるよ。だからどうしたらいいの?」という問題だからだ。

だが、一つの解決策はある。実は楽な朝食メニューを調べているうちに先述のデータに行き当たった。キウイは朝食にはかなり理想的な食材であるらしい。

キウイ1個(100g)で、温州みかん約2.2個分に相当するビタミンC、バナナ2本分に相当する食物繊維のほか、カリウムや葉酸、ビタミンEなど健康を保つ上で欠かせない不足しがちな栄養素も多く含んでいる。さらに生で食べられるため、油やドレッシングなどの脂質の摂取を抑えられるのだという。
つまり、キウイは1個取り入れるだけでかなり栄養バランスを整えた食生活に改善できる食品だという事だ。

食べ方も調べてみた(というよりこれもゼスプリHPなのだが)。やっぱりスタンダードなのは、包丁で半分にカットしてスプーンですくう方法。確かにこれは朝食に合っている。ストンと包丁でカットして、ただ食べるだけ。皮もむかなくてもいい。食べたら生ごみ入れにポイっと皮を捨てるだけ。洗い物というほどの洗い物もしなくてもいいのであれば、すぐに取り入れやすいかも。栄養素の面もそうだが、生活に取り入れやすいという点も朝食には向いているのかもしれない。

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食べ方の中で衝撃だったのは「グリーンキウイドレッシングソース」。ミキサーにキウイと一緒にドレッシングの材料を入れて撹拌する。焼き豚やソテーしたとり肉、牛肉、かじきまぐろなどに合うらしい。写真では青々としたキウイの色が肉料理に彩りを与えている。
ってか、本当に料理に合うの?正直と思ったが、「なかなか万能なソースです」と太鼓判を押しているし、きっと美味しいのだろう。ぜひ興味が湧いた人に試してもらいたいものだ。

キウイを朝食に食べる方法はただの一例に過ぎない。これは時間がなくて栄養価のある食事をそろえられない人のための一つの方法だ。ただ、料理が苦手な人のための食生活の改善のための一つの選択としては有効な手段と言えると思う。

参考:ゼスプリHP

(photo by Peter Taylor)