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東京・秋葉原や羽田空港などで見かける喫茶店チェーン『丸福珈琲店』。この丸福珈琲店は、大阪・千日前に今も本店がある、昭和9年(1934年)に創業した昔ながらの老舗の喫茶店であることは意外と知られていないかもしれない。この丸福珈琲店を利用するにあたり、より美味しく楽しめるノウハウを紹介する。

■ ブレンド珈琲と“皇室御用達”のカップ&ソーサー
丸福珈琲店といえばブレンド珈琲、といっても過言ではないほどの定番メニュー。白磁のカップとソーサーに真っ黒な珈琲(コーヒー)が注がれているだけで“絵”になる。カップとソーサーには皇室御用達の大倉陶園製を使用(JR大阪三越伊勢丹内レジデンスカフェのみジノリ製)、一部店舗ではコーヒーを飲み始めるとカップの中に丸福の“福”マークが金の刻印として出てくる。

■ 角砂糖
いまや珍しい立方体の真っ白な「角砂糖」を昔ながらのスタイルで提供する。

■ アイス珈琲(コーヒー)
アイス珈琲を注文する際、「加糖か無糖か」と聞かれる。創業当時、アイス珈琲ではなく「コール珈琲」と呼ばれ、甘く冷たい珈琲、つまり加糖が当たり前だった。現在で一般的な無糖にガムシロップ、珈琲フレッシュ付きは戦後にできた風習という。アイス珈琲で提供される「ヤライのグラス」は、昭和初期に流行したものを現在も使用する。

■ ミックスジュース
いまや全国区のミックスジュースだが、もとは関西発祥。丸福珈琲店のミックスジュースは昔ながらのレシピで注文を受けてからその杯数のみ作っている。

■ ホットケーキ
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パンケーキがブームの昨今、ホットケーキは“昭和初期のレトロスイーツ”といわれ、素朴な味わいで根強い人気がある。丸福珈琲店のホットケーキはオーダーが入ってから専用の銅版で1枚づつ焼き上げる。

ほかにも、高級な天然ゼラチンのみを使用した珈琲ゼリー、創業者の味を復刻させた丸福カリーなど、名物メニューも多い。ぜひ今度、丸福珈琲店を利用する際、昔から受け継がれてきたそのこだわりの味を噛みしめて味わってみてほしい。

丸福珈琲店