またまたやってまいりました、名前の雑学「最終選考で “ボツ”になったアレの名前(ヒト編)」、第二夜です。
目からウロコがこぼれ落ちすぎても私は責任取りません。
自己責任でご覧ください。
■「星飛雄馬」/「星明(ほし あきら)」
【ほぼ「星明」という名前で決まりかけていたが、副編集長の熱い気持ちで大ドンデン返し】
スポ根漫画の元祖『巨人の星』の主人公はご存じ、星飛雄馬。ところが、その名前が決まるまで「週刊少年マガジン」編集部で真剣な論議が戦わされたことはあまり知られていない。
飛雄馬はヒューマンのごろ合わせ。「野球を通して成長する、人間ドラマを描きたい」という原作者、梶原一騎さんが考え出した。ところが、「子供が読むんだから、難しい名前はだめだ」。飛雄馬は編集部で総スカンに遭った。結局、出てきた名前は、夜空に輝く明星をイメージした星明(あきら)だった。
当時、副編集長を務めていた宮原照夫さん(56)(現講談社マルチメディア事業局長)は「あの夜」の出来事を思い出す。編集長と二人で梶原さん宅を訪ねたときのことだ。編集長から説明を聞いた梶原さんは「飛雄馬という字は子供には難しいですか。そうですか。わかりました」と納得した様子だった。ところが、その後、梶原さんが出してきたブランデーを三人で飲むにつれ、宮原さんはついに抑えきれず、編集長に胸の内をぶちまけた。
「実は飛雄馬にこだわっているんですよ。ヒューマンなマンガをつくりたい。そう口癖のように言ってきましたよね。人間の葛藤(かっとう)を描くんだって。雄々しく飛ぶ馬。名は体を表すというじゃないですか。明じゃ意味がない。過去のマンガと同じレベルで主人公の名前を考えるのはまずいですよ」
宮原さんの訴えに編集長もしばらく考え、「なるほど、分かった」。こうして「飛雄馬」が不死鳥のようによみがえった。
(1994.09.14 読売新聞)
■「劇団ひとり」/「カツカレー」
【大好物が芸名になりご満悦も、事務所の猛反対でご破算に】
当初はタレントの優香のように、ネットで芸名を募集し、本人の好物の「カツカレー」に決まった。
しかし、事務所に反対され、自分で命名することになった。色々な劇団員を1人で演じる芸風、語感の良さ、“いろいろなキャラクターを持っている=いろんな役者をかかえている”という意味で「劇団ひとり」にした。
■「萬田久子」/「道頓堀心子」
【芸名が決まる前にデビューしたため、命拾い】
1978年の短大在学中にミス・ユニバース日本代表となり、翌年に上京して、タレント活動を開始した萬田さん。
しかし、当初は本名ではなく「道頓堀 心子(心斎橋の"心")」という芸名を付けようと言われていたという。
ところが、芸名が決まる前に1980年に『なっちゃんの写真館』への出演が決まり、本名のままで女優としてデビューしたため、その後もそのまま本名で活動を続けることになった。
もし、「道頓堀心子」だったら、今のエイジレス美人の萬田久子のイメージはあったのだろうか?
(2008年10月2日 NHK「きよしとこの夜」にて本人談)
■「野口五郎」/「黒部五郎」
【どっちもどっちかな・・・】
出身地の岐阜県にある北アルプスの「野口五郎岳」という山の名前から取った芸名。なんと、同じ山脈の「黒部五郎岳」から『黒部五郎』という芸名が最終候補。
(2007.12.22 信濃毎日新聞朝刊)
うーんやっぱりおもしろい。
みなさんの名前にも意外なボツネームはあるかもしれませんね。
お母さんに確認してみてください。
(written by くしBK)