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西日本最古の遊園地は、1908年(明治41年)に開園した大阪府柏原市の「玉手山遊園地」だ。だが、玉手山遊園地は、1998年(平成10年)に90年の幕を下ろして閉園した。当時、関西では宝塚ファミリーランド、さやま遊園など、大規模な遊園地がテーマパークに取って代わられ、次々と閉園した時期だった。

全国にかつてあった遊園地は閉園後、その面影を残すことなく、住宅地やマンションなどが建設されてしまい、当時のにぎわいを感じることはなかなか難しい。だが、この玉手山遊園地は閉園の翌年に「柏原市立玉手山公園 ふれあいパーク」としてリニューアルされた。

市民公園なので、入場は無料。開園当時からある音楽堂は貴重な文化遺産であり、休日に運行されるミニトレインなど、今でも近所の親子連れが訪れて楽しんでいる。

玉手山遊園地の歴史は、1898年(明治31年)に走り始めた欧米の蒸気機関車にさかのぼる。当時の河南鉄道(のちに近畿日本鉄道と合併)が経営難に陥り、乗客増加の対策として道明寺駅の郊外にある標高約100mの玉手山に遊園地をオープン。1927年(昭和3年)には、道明寺駅近くの石川に吊り橋「玉手橋」(登録有形文化財)も架けられた。最盛期には動物園、観覧車、昆虫館、長さ日本一という100mもの滑り台もあったという。

開園から100年を経た今も、子供たちが楽しんで遊ぶ様子が見られる。そう、子供の頃によく遊園地に遊びに行った人にとってはどこか懐かしさを感じることができるだろう。
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柏原市:市立玉手山公園