いつも多くの観光客や地元の人々らでにぎわう六角堂。かつて都だった京都の「中心」ともいえる場所がここにあると聞き、現地に足を運んでみた。
広大な平安京の都、そのど真ん中に位置するのが、六角堂にある「へそ石」という説がある。境内にあるへそ石も六角形で、石の真ん中にくぼみがある。へそは人体に例えると、身体の中心部分。同様に、京のへそといわれるのが六角堂のへそ石というわけだ。
実際のところ、へそ石の正確な史実は解明されていない。諸説によると、石灯籠の基礎だとか、六角堂の初代本堂の礎石だったとも伝わる。江戸時代ごろからへそ石と呼ばれるようになったといわれ、『洛中洛外図』には六角堂に隣接する六角通にあるのも描かれている。境内では、へそ石にちなんだ「京のまんなか へそ石餅」なるものも販売されている。
その他にも、六角堂は見どころが多い。用明天皇2年(587年)創建の六角堂は平安京が遷都する前からあり、六角堂の鐘楼が六角通をはさんだ南側にあるのは有名。また、境内には鳩がとても多く、餌まで売られている。人なれした鳩は餌を手にした瞬間、いっせいに近寄ってくる様子は、ヒッチコックの名作映画『鳥』のようだ。一方で、「鳩みくじ」というかわいいおみくじなどもあり、縁結びにもご利益がある。
六角堂
(Written by AS)