理系女子、略してリケジョとか流行ってますね。ということで、Nicheeeでは「ナントカ系ナントカの生態」と題して、世に溢れる「ナントカ系ナントカ」をさくさく切っていく短期連載をはじめました。記念すべき第1回は「腐女子」です。しょっぱなから「系」つかないけど、細かいことは気にしない方向で。
▼腐女子とオタク女子は違う。断じて違う。
さてみなさんは、正しく「腐女子」を認識しておられるでしょうか。 「腐女子」とは、「漫画・アニメ・ゲームが好きな女の子」のことではありません。 「腐女子」とは、「ホモ(ボーイズラブ)が好きな女の子」のことです。 彼女たちの主な活動は、男の子と男の子を題材にちょっとエロい妄想をすることです。時にそれをコミケと呼ばれる場で発表し、幸せをシェアしたりします。
そんなホモが大好きな腐女子のみなさんの主戦場はもちろん漫画・アニメ・ゲームの世界。自分のお気に入りの漫画に登場するお気に入りのキャラクターを用いて、ちょっとエロい妄想をします。ちなみに、ここでちょっとエロい妄想をしない場合、彼女たちは腐女子ではありません。ただのオタクです。
▼腐女子の真髄「ナマモノ萌え」
しかし中には猛者もいて、なんと実在の人間同士を脳内でホモ設定にしてしまうナマモノと呼ばれるジャンルを嗜む腐女子の方々もいらっしゃいます。彼女たちの格好の的となるのがジャニーズ系をはじめとする人気男性芸能人。飛ぶ鳥を落とす勢いの「嵐」や最近草食系男子発言で話題を集めている「KAT−TUN」、関西圏で圧倒的人気を誇る「関ジャニ∞」などのメンバー同士をカップリングして楽しむ、通称「ジャニ禁」「J禁」というジャンルも確立されています。
しかし、ジャニーズといえば著作権に厳しいことで有名。対して腐女子が取った防衛対策は、yahooやGoogleのワード検索に引っかからないよう、「検索避け」と言われるテクニックを駆使すること。例えばKAT−TUNならば「勝運」など、隠語を使用。また、「勝/運」などとワードをスラッシュで区切ることで隠語すらヒットしないようにするという徹底ぶり。
げに恐ろしきはジャニーズなのか、それともそこまでしてまでホモに萌えたい腐女子なのか。意見が別れるところではあると思います。
▼腐女子は「負け犬の自己防衛」
もともとこのようにホモを嗜む女子は少なからず存在しました。しかし最近は自ら「腐女子」を公開する女性も多く、その生態は変わりつつあります。社会学者の上野千鶴子先生によれば、この「腐女子」という言葉そのものに、彼女たちのナイーブな一面が隠されているといいます。
「腐った女子」と書いて「腐女子」。ここには、相手から「腐ったような女子」と言われる前に自分からそれを表明して侮蔑を回避する、という「居直りのトリック」が仕掛けられているそうです。これは以前エッセイストの酒井順子の著書『負け犬の遠吠え』をきっかけに自らを「負け犬」と呼ぶ女性が増加したことにもつながるとのこと。
自分の趣味に邁進しながらも、他人からの侮蔑的な視線に怯えるか弱さを併せ持つ存在。それが腐女子なのです。
さて、いかがだったでしょうか?
次回も「ナントカ系ナントカの生態」では、「ナントカ系ナントカ」な若者の生態をご紹介します。
(written by かなやま)