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明智光秀というと、本能寺の変で当時の天下人、主君でもあった織田信長を討ちとったものの、その直後の山崎の戦いで羽柴(のちの豊臣)秀吉に破れ、敗走途中で農民に襲われて自刃したと伝わる。三日天下、謀反人ともいわれ、歴史の表舞台ではなかなか脚光を浴びていない戦国武将の1人といえる。

その光秀の首が埋められたと伝わる場所が、京都・東山にある。東山三条を流れる白川沿いから狭い路地を少し入った場所に、石造りの五輪塔墓と瓦葺の祠、光秀をまつる首塚があった。祠の中には、光秀の木造が鎮座しているのも見えるが、いずれにせよ、本当に小さくて目立たず、一瞬でも天下人となった人物をまつっているとは思えないほど。祠の横にある説明書きによると、光秀の家来が首を携えて知恩院近くまでたどり着いたが、夜が明けたためこの地に埋めたと伝わるという。

さて、白川沿いに戻ると、角に「光秀饅頭」を掲げる和菓子店を見つけた。『餅寅』という店名で、江戸時代から光秀の祠などを守り続けているというからすごい。

光秀饅頭には、明智家の「桔梗」の紋がしっかり押されている。光秀は武将である一方、茶道などもたしなんだ風流人としても知られた。

この光秀由来の饅頭、歴女はもちろん、歴史好き男子もぜひご賞味あれ。
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餅寅
京都市東山区白川筋三条下ル梅宮町457
8時〜17時/水曜定休

(Written by AS)