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京都市北部にある今宮神社は、都が遷都した平安時代以前から疫病を鎮めるために疫神を祀った社があり、特に、994年(正暦5)、都の悪疫退散を祈って御輿を造営して紫野御霊会を営んだのが今宮神社の起こりであるといわれる。4月第2日曜の「やすらい祭」は京の三大奇祭の一つ。

また、徳川五代将軍網吉の生母・桂昌院の氏神社として、良縁開運「玉の輿」のご利益があるパワースポットとして近年注目を浴び、独身女性らしき参拝者の姿をよく見かける。

その今宮神社の“門前名物”が「あぶり餅」。きなこをまぶした親指サイズの餅が竹串に刺してあり、これを炭火で炙ってから白味噌のタレをかけて出され、和菓子好きにはたまらないおいしさで知られる。竹串は今宮神社に奉納された斎串が使われ、厄除けや疫病をはらうご利益があるという。

さて、このあぶり餅を販売するお店が参道に「一文字屋和輔」と「かざりや」の2店ある。しかも、参道をはさんで向き合い、呼びこみ合戦も行われている。いったいどちらに入ろうか、初めての参拝客なら必ずと言っていいほど迷う。

先日、この2つのお店どちらにも入ってみて、あぶり餅を食べてみた。いずれのお店もメニューはあぶり餅のみで、1人前500円(当時)。味のほうも甲乙付けがたく、「どちらもおいしい」という結論に達した。1人で2つのお店をはしごし、2人前を食べるのは苦しいかというとそうでもなく、気になる人は2つのお店で食べ比べてみて欲しい。
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今宮神社 公式ウェブサイト