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7月あたまよりネットメディアで取り上げられ、密かに話題を呼んでいたアメリカ・シリコンバレーからやってくるという「泣ける」アイテム「オニオンノート」。

ガジェット通信 「マジなのかジョークなのか…… 「書くだけで涙が流れる」ノートブックのティザーサイトがなんかクサい」

「すべての“書く”に感動を与える」をテーマに、なぜかノートに玉ねぎの成分を盛り込み、涙なくして使えないノートを作った。“感動=泣く→泣く=玉ねぎを切っている時”と、「泣く」という同じカテゴリに入っていたとしても絶対一緒にしてはいけない種類の「泣く」にすり替えている。

シリコンバレーを拠点とするベンチャー企業Magnus Ferreus(マグナス・フェレウス)が、わざわざ日本で、しかも文房具を売りつけるという、ツッコミきれないほどの疑惑をはらんだこの商品について、先日新たにCEOであるトーマス・パーカー氏のプレゼン映像が公開された。

紙の「オニオンノート」はプロトタイプだったとパーカー氏。
家電量販店を“ヒント“を得てついに完成した、というそのノートはすでに文房具ではなくなっていた…。
 
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パーカー氏がノートを開くと、そこには「Windows8」のスタート画面が。
ついに完成した「オニオンノート」の中身は、「Surface Pro 3」そのものだった。

パーカー氏はあたかも自分が作ったかのように“最高の書き心地だ!”“仕事もプライベートもバッチリだ”と絶賛しているが、マイクロソフトさんが作ったのだからそんなことは当然である。

もし、各メディアのニュースを見て本当にオニオンノートの登場を待ちわびた人がいたとしたら、その人はまんまと釣られた、ということになる。
さらに、映像の終盤でパーカー氏はSurfaceに感動して“号泣”。話題のあのニュースまでパクって終わっている。

この一件を「玉ねぎのノートなんてやっぱりウソっぱちだった」と切り捨ててしまうのは簡単だ。
しかし、この「オニオンノート」のように、蛇足な機能が付けられているものが世の中に溢れてないか、という問いかけにも見えてくる。

まだ検索バーに文字を打ち込んでいる途中なのに、すでに検索を始めてしまう機能は本当に必要だろうか。一度それを打ち込んだばかりに、「きょ」と打ち込んだだけでいつでも(大抵都合が悪いケースで)「巨乳女子高生」と予測して変換してくれる機能が必要だろうか。
それらの蛇足な機能を排した結果、「オニオンノート」はSurfaceそのものになったというメッセージなのかもしれない。

結局「オニオンノート」は売りだされないだろう。しかし、オニオンノートと同じ感動を与えてくれるアイテムは、全国全店舗の家電量販店に置かれている。