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一度見たらインパクト抜群の車両デザイン、「生駒ケーブル」(近畿日本鉄道生駒鋼索線)に乗って着いた終着駅、生駒山上駅にあるのが、生駒山上遊園地だ。かつて“スカイランドいこま”とも呼ばれていた。

生駒山上遊園地は入園無料(遊具の利用は有料)。昨今、大型テーマパークのオープンなどによって全国にある遊園地の数はどんどん減っている中で、生駒山上遊園地も例外でなく、閉園の危機はあったというが、今も3月中旬〜11月の期間限定で開園している。

6月のある平日、生駒山上遊園地を訪れてみると、意外と入園者は多く、小さな子どもを連れた親子や若いカップル、また、幼稚園の園児たちもたくさんいて、予想以上ににぎわっていた。入園が無料という手軽さ、また、小さな子どもも遊びやすい遊具がそろっているからだろうか。その遊具だが、かつてあった絶叫系の遊具はなくなり、30年前とほとんど変わっていない、いわば「絶滅品種」に近いアトラクションが数多く現役で動いていたのに驚かされた。
 
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一番人気の「飛行塔」は、現存する大型遊具としては国内最古。高さ30メートルあり、大阪平野や大和盆地などが一望できる。1929年(昭和4年)の開園時からあり、第二次世界大戦中の金属類回収令で他の大型遊具が解体搬出された中でも解体を免れ、今も稼働している。

ほかにも、お化け屋敷、コーヒーカップ、急流すべり、メリーゴーランド、SL列車、おもしろ自転車・・・かつて昔、自分が子どもの頃に夢中になった遊具がほぼそのまま、今もここに数多く存在する。いい年になった大人も童心に帰って楽しむことができる、いまや貴重な場所かもしれない。

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もう1つ、生駒山上遊園地の名物といえるのが、テレビ塔。ここにはNHK大阪放送局をはじめ、在阪の準キー局の電波塔が設置されている。遊園地内から見るとまるで「宇宙基地」のように見えなくもない。
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生駒山上遊園地