日本をはじめ世界中でチェーン展開する「スターバックス・コーヒー」。近ごろ、日本の都道府県で唯一、店舗がなかった鳥取県にもいよいよ出店するのがニュースになっていた。一方、いまだに1店舗もない国が、コーヒー文化が根付くイタリアだ。
なぜ、イタリアにスターバックスがないのか。
そもそも、イタリアにはチェーン店が少なく、いまだに個人商店が強いといわれる。飲食業が深夜営業できないのが法律でも定められているので、チェーン店が進出しにくい事情がある。現に、スターバックスだけでなく、ケンタッキー・フライドチキンの店舗もイタリアで見たことはない(ただし、マクドナルドはさすがにたくさんあるが)
そしてもう1つ、イタリアには「バール」がある。
バールとは、分かりやすく言うと、コーヒーなどのドリンクを立ち飲みで提供するカフェよりも小さな店舗で、小さな街や駅にも必ず存在する。イタリア人はこのバールに1日2回、3回・・・と行くのが習慣で、朝ごはんをバールでさっさと済ませる人も多い。バールでの定番、エスプレッソは1杯1ユーロ(約140円)。日本よりも格段に安く、しかもおいしい。バールにはジュースやスナック菓子、軽食も置いているが、皆、長居はしない。
日本でもそうだが、スターバックス=ちょっと長居する人が多い。友人と話し込んだり、勉強をしたり・・・そう考えると、「イタリア人はコーヒーを飲むのに長居しないので割が合わない」というのが、最も正解かもしれない。