イタリア南部の都市・ナポリに有名な名言がある。そう、“Vedi Napoli e poi muori!” 「ナポリを見て死ね」だ。
ナポリには、紺碧の海と青空、雄大なヴェスーヴィオ火山、明るい太陽、お調子者のナポリ男、そして、ピッツァ・マルゲリータがある。いまや世界中で食べられるピッツァ、その本場はイタリアで、最もおいしいといわれるピッツァ・マルゲリータはナポリが発祥。イタリア人にいわせれば「ナポリのピッツァはローマやミラノと比べ物にならないおいしさ」。
そこで、ローマから一路、トレニタリアで約1時間、ナポリにピザを食べに行ってみた。
ナポリの伝統的なピッツェリア(ピザをメインに提供する食堂)は、庶民の街にあたるスパッカ・ナポリもしくはスペイン人地区にある。特に有名なのが、ピッツァ・マルゲリータを発明した店として知られる老舗「Brandi(ブランディ)」。ほかにも、ピッツァの名店はナポリに数多く存在する。
とあるピッツェリアに入り、ピッツァ・マルゲリータを注文。まわりを見ると皆、ピッツァ・マルゲリータを食べている。ほどなくして、窯で焼かれたアツアツのピッツァが運ばれてきた。皿の上に置かれたピッツァは形こそ美しいとはとてもいえないが、その皿からはみ出そうなほどのボリューム、味の濃いトマトソースと真っ白なモッツァレラチーズに1枚のバジリコの葉がのったシンプルさ。さっそく1枚、手づかみでほおばった時のおいしさといったら!
なぜナポリで食べるピッツァ・マルゲリータがおいしいのか。一説に「ナポリの水がピッツァに一番合う」というのがある。それと、ナポリの風土ではないかと思った。陽気で明るい、大ざっぱながら情熱的なナポリの人々と街。車のクラクションがうるさいほど鳴り響いていてもそれもピッツァのおいしさの一因のような気もした。
本場で食べるグルメ、やはり最高である。