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いまや都会の地下駅などで欠かせない存在になりつつある「動く歩道」。別名、ムービングウォーク、オートウォークなどとも呼ばれているが、その歴史を紐解くと、1967年(昭和42年)に日本で初めて設置されたのが、大阪市北区の「阪急梅田駅」だった。

今の阪急梅田駅は3階部分にあるが、昔は阪急百貨店うめだ本店の前(1階部分)にコンコースがあった。1960年代に駅を拡張することになり、北に約200メートルの位置に新たなホームを設置するのに伴い、旧ホームから新ホームにアクセスするのに動く歩道が作られた。地元の大阪では「ムービングウォーク」と呼ぶほうが、なんとなくなじみがある。

動く歩道はそれまで外国の空港ではすでに設置されていたものの、国内では阪急梅田駅が初めて。その後、1970年(昭和45年)に開催された日本万国博覧会の会場にも設置されたことによって多くの人々に知られるようになり、今日にいたる。

その動く歩道・発祥の地である阪急梅田駅には今も存在する。現地でしばらく観察していると、右側は立っている人、左側は歩くもしくは走っている人専用のように見受けられる。エスカレーターもそうだが、大阪と、東京など他の地域ではこの“立ち位置”がなぜか異なるので、大阪在住以外の人が大阪に来るとまず立ち位置を間違えて冷たい視線を浴びることになりかねい(・・・と、この経験をしたことのある人は多いはず)

しかも、大阪では、動く歩道に立っている人は少なく、ほとんどの人は歩くか走るかしているのが、「せっかち」ともいわれる大阪人の性格を物語っている。ちなみに、動く歩道で走るのは危険で、「ムービングウォークでは走らないでください」とアナウンスされていることもあるので、くれぐれも注意して利用して欲しい。