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今から約1900年も前の出来事、ヴェスーヴィオ火山の大噴火により一瞬にして火山灰に埋もれてしまった古代都市が、イタリアにあるポンペイだ。当時の日本といえばまだ縄文時代、田畑もなく狩猟で生きていたころに、ポンペイではすでに街としての機能が存在した。通路には道路標識があるなど、高度な文明を誇っていたと考えられている。

その火山灰に埋もれていたポンペイが発掘されたのは近年のことで、現在はその遺跡を見学することができる。日本発の観光ツアーに盛り込まれることも多いが、旅慣れた人だと自力で行くことも可能だ。

ナポリ中央駅の地下にある駅からヴェスーヴィオ周遊鉄道で約30分、Villa di Misteri駅で下車すると遺跡の入口(マリーナ門)がすぐそば。門をくぐり、まずは古代の社会生活で中心地だった「フォロ」を目指す。このまわりに数々の神殿があり、保存状態も良い。

その後、フォロのそばにある遺跡の発掘品を見学する。中には、人の形をした石膏が無造作に置かれているが、これは生きたまま火山灰に閉じ込められた人たちのもので、非常に生々しくリアル。

また、「悲劇詩人の家」の入口にある床モザイクは必見。鎖に繋がれた犬があり、これは“番犬”代わりだったことがわかる。その先にある「ヴィッティの家」の入口右側の壁や寝室にポルノまがいの描写がある。これは当時、魔除けの御守だった。厨房に埋没した当時のまま鍋が並ぶ家もある。「スタビアーネ浴場」に行くと、浴室が男女別で床が二重構造、一定の室温が保たれていた、そのレベルの高さがうかがえる。

さらに、訪れる人こそ少ないが、絶対の見どころといえるのが「秘儀荘」だ。大小60の部屋からなる大邸宅で、大広間の壁一面に描かれた等身大の人々の絵は当時の様子がとてもよくわかる。

以上が、ポンペイ遺跡の見どころをまとめた。そして、足場が良くないので「歩きやすい靴」、帽子やUVクリームなどの「日焼け対策」もお忘れなく。

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(Written by AS)