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日本とイタリア、その違いを感じる最たるものは「公共交通機関」ではないだろうか。

たとえば、鉄道。日本だと、鉄道は時間通りに出発・到着して当たり前というのが常識。ときどき人身事故などで遅れが生じた場合、車掌や駅係員らが利用客に対してひたすら謝罪をくり返すのもおなじみの光景だ。職場や学校などに提出する遅延証明書もちゃんと用意される。

だが、イタリアでは、鉄道の遅れは日常茶飯事だ。むしろ、遅れないほうが不思議なときすらある。

ある日のフィレンツェSMN駅。出発の掲示板には、これから出て行く列車がズラリと並ぶが、その列と同じくして「Delay」の赤字もけっこう目についた。いちおう何分遅れかは載っているが、その数字が怪しい・・・というのも、自分が乗る列車は待つたびに3分、5分とだんたん遅れの数字だけが増えていった。しかも、広いフィレンツェSMN駅構内でいったいどのホームから乗ればいいかもわからない。

すると、あることに気づいた。というのも、自分が乗る列車はミラノ中央駅発なのだから、「到着」の掲示を見れば列車番号が同じなのだから、その列車が分かる。日本では到着の掲示板はあまりないかもしれないが、イタリアだと出発と同じ大きさで存在する。

その到着の掲示板のところに行くと、ビジネスパーソン風の男性が列車をチェックして待っていた。そして、出発よりも到着のほうに先に列車が入線するホームが表示された途端、そちらのほうに足早に歩いて行った。

自分が乗る列車、自分の駅が始発でなければ、出発よりも到着をチェックする。これがイタリアではごく一般的のようだ。

(Written by AS)