サンフランシスコ市内のとある多国籍料理レストラン。メニューを見ると、本場アメリカからイタリア、スペイン、中国、韓国、シンガポールなど、さまざまな国の料理が並ぶ。そんな中、前菜のメニューで見つけたのが「Tempra Salmon Rolls」。直訳すると、天ぷらのサーモン巻き、その味、最初まったく想像できなかった。
メニューに写真がなかったが、Japanese sushi……と説明があり、いちおう日本の寿司らしい記述。天ぷら無しもオーダーできるらしい。テイクアウトで注文し、しばらく待つと、調理した出来たてがパック入りで運ばれてきた。そのままホテルに持って帰り、部屋で恐る恐る開いてみた。
見た目は、たしかに巻き寿司っぽい。肝心の天ぷらの部分は、その寿司をどうもそのまま天ぷらのように揚げたらしい。寿司を天ぷらで揚げる習慣は日本にはなく、なにやら不思議な感じがした。寿司の具は、アメリカの寿司でよく使われているアボガドをはじめ、生ではないサーモン、豆腐などで、甘いタレが全体的にかかっていた。
しょうゆはキッコーマンの現地法人で、わさびやかいわれ大根、しょうがまで付いていた。
いざ、食べてみた感想は、寿司は寿司なのだが、天ぷらになっていて、やはりなにか妙な食感と味わい。これはこれでアリのような気もする。もっとも、ちゃんとした寿司が食べたい人には、まったく寿司とは違うと感じられるかもしれないが。
(Written by AS)