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今年は12月20日が冬至となる。1年のうちで最も昼が短い日のことを指し、その逆を夏至、そして昼と夜の時間が同じになる日が春分、秋分と呼ばれている。こちらは祝日になるので意識されているが、冬至も暦を知る上で重要な24の節目のひとつである。

冬至には、伝統的になんきん(かぼちゃ)など名前に「ん」の付くものを食べる、柚子湯に入るということを行うのだが、じつはこの冬の浴室には、自動車が行き交う道路の上よりも高い死のリスクが隠されているという。(Photo by Terence Faircloth

◆12月・1月 死の危険が倍増 「ヒートショック」って?
12月1月といった冬の季節の浴室で起こる死のリスクとは「ヒートショック」と呼ばれる現象。
暖かいリビングから冬場は10℃を下回るような寒い脱衣所へ。そこで服を脱いでから熱い湯につかる。この寒暖差による血圧の変化の影響で重大な疾患を引き起こし、最悪の場合死に至るというのだ。
 
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東京都健康長寿医療センター研究所によると、2011年に寒暖差が原因とみられる入浴中の死亡事故は約17,000人。、交通事故による死亡者は4,611人なので、それをはるかに上回る人がヒートショックを原因に死亡しているのだ。
しかも12月、1月はその人数も跳ね上がり、そこそこ寒い11月の2倍、最も少ない8月の11倍にもなる。

◆ヒートショック 最北県の北海道が少ないのはナゼ?
同研究所はヒートショックが原因と見られる入浴中における心肺停止の件数を県別にもまとめており、関東圏では全国で4番目の東京が最も多い。最も少ない県は1年を通じて暖かい沖縄県で、沖縄に次いで件数が少ないのは、意外にも北端にある北海道だった。

2012年1月に行った全国住宅室内温度調査によると、最も暖かいのが北海道で、続いて、沖縄県、青森県、秋田県という順位となっているそうで、ヒートショックは外気の寒さだけに影響するのではなく室温により大きく影響するため、厳しい寒さの北海道は住宅への断熱環境が整っていることがヒートショックを少なく抑えている理由となっているのだ。
 
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◆ヒートショックを防ぐために・・・手軽にできる簡単断熱
浴場、脱衣所および住宅全体の断熱。ヒートショックはたしかに恐いが、断熱仕様にするにはリフォームが必要となり、工事の手続きやお金の問題もある。
しかし、LIXILではこのような事態をみこして部分的なリフォームが手軽にできる商品を展開している。
壁・床など、「ココだけ」といった部分的な断熱改修工法「ココエコ」や、今ある窓に“プラス”するだけの「インプラス」、「肩湯」や「サーモフロア」などバスルームをあたたかくする工夫が施された「スパージュ」など要望や予算に合わせた商品がならぶ。



前述の東京都健康長寿医療センター研究所・高橋龍太郎副所長も、ヒートショック対策には脱衣所や浴室を暖かくして寒暖差を減らすことが有効と語っている。
また、いますぐでも簡単に始められる対策としては、シャワーでお湯張りをして浴室全体を温める、外気温が低くなる日没前に入浴を済ませる方法などがある。

人の生理機能がピークにある14:00〜16:00は温度差への適用がしやすいというメリットがあるので、この時間帯に入浴をすすめるのもよいのだとか。
逆に、血圧が下がりやすい食事直後・飲酒時の入浴を控えることも大切だという。


LIXIL ほっとリフォーム


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