2011年、米デューク大学の研究者であるキャシー・デビッドソン氏が、ニューヨークタイムズ紙のインタビューでこのような未来予想をしている。
「2011年度にアメリカの小学校に入学した子どもたちの65%は、大学卒業時に今は存在していない職業に就くだろう」
6割以上の子どもが現在、世界に存在していない新しい職業に就く。実に衝撃的な予想だが、あらゆる仕事がコンピューター化されたことで、すでに人々の働き方は10年前と比べ大きく様変わりしている。事実、この10年で新しい職業は続々と生まれているのだ。その一方で、イノベーションが進むたび、既存の職業は姿を消しつつある。
もちろんデビットソン氏の予測は米国を対象とした調査で、日本でも同様の未来が待ち構えているとは言い切れない。しかし、厳しい財政状況と深刻な少子高齢化といった“出口の見えない問題”を抱える日本で、米国より楽観的に未来を展望することは、これもまた危険であろう。とはいえ未来を憂いているだけでは、何も解決しない。親として、今から子どもと一緒に「未来」を考える必要があるのではないか。
そして、ベネッセが進めているプロジェクト「未来しごと図鑑」は、将来生まれるであろう新しい仕事について老若男女、あらゆる世代からの“意見”を集約し、それをひとつの職業として発表する情報サイトだ。
たとえば同サイトには「エネルギーアドバイザー」という職業が紹介されている。これは将来的に、エネルギーの自由化が進み、一人ひとりがどのエネルギーを使うのかを自由に決められる時代の到来を予測して創造された「未来の仕事」。エネルギー事情に精通し、国単位ではなく各家庭、各企業にわせてエネルギーのベストミックスを提案するかなり専門的な職業だ。
そして、2月18日に新たに「シェアヘルパー」、「フラワーファーマシスト」、「ロボットレンタル」、「ワークコネクター」といった「未来の仕事」が発表された。今後も、新しい職業は随時更新される予定だ。
同じ時代に生きるみんなの声が反映されて、創られていく未来の仕事の数々。この中から、5年後、10年後には実際に職業になっているものもあるかもしれない。こうしたサイトを参考に、親子で一緒になって将来の仕事について考えてみてはいかがだろうか。
ベネッセ みんなでつくる!未来しごと図鑑