「東京は現在の活動拠点なのでここから発表したいと思ったのと、大阪は私が大学時代に写真を学んだ場所であるので選びました。そして仙台は、この仕事で独立してから数多く訪れている場所であり所縁があるからです。なかでも幾日も現地に滞在し、触れ合ってきた地震による被災者の方々に、私の撮影した前向きな写真を見ていただきたいと思ったからです。」

「これは南米のエクアドルの首都キトからおよそ280km南下したところにあるグアヤキルという町です。この１枚を選んだ理由は、このカラフルな丘は一見すると解りませんが、実はスラム街になっており、そこには貧困者の方が多く住んでいました。実際に内部に入り撮影を試みた私にとって、外から見た美しさと内部のギャップに愕然としました。

当然この１枚ではその事実は伝わらないのですが、この写真に興味を持ってくれた方には その内情も知っていただきたいなと思い、話のきっかけになればと選びました。」

「写真や絵画などは人によって視点が違うので私の視点で『これが一押しだからこれを見てくれ！』というものはないんです。全体を通して何かを感じて頂けたらと。 

ただ一見、スナップ写真風に撮っていながらも日本で従事してきた仕事の影響で、景色を広告的に切り取ってしまうという癖があります。そういった無意識のうちに潜んでしまっている広告的な要素は楽しんでいただけるポイントの一つかもしれません。

また、もともと自分の作品で誰かを感動させたいという思いが強かったのですが、最近では誰かをというよりもまず自分自身が生涯感動し続けたい、そのために多くの景色を求めて旅を続けているのかもしれない…という風に思うようになりました。今回の展示から僕のそういった思いも伝わるといいなと思っています。」

「写真家になって良かったなと思う事に、普段は出会う事の出来ないような人や、

普段は見る事のできないような景色に、日常的に出会える事があり、そしてそれらを自分の感性で写し止める事が出来るという事があります。

そのため、思い出に残っている事は本当に数えきれない程あるのですが、これまでに訪れた80カ国旅で経験してきた奇想天外体験記を書いて欲しいとある企業様からご依頼を頂き、2015年6月よりWeb上で連載させて頂くようになりました。

ですので、今、そういった思い出を振り返りながらまとめているので、改めて一つ一つのエピソードをネタとして大切に扱っているんです（笑）。

ただ、絶景、美食、恋愛、病気、犯罪、風俗などなど、世界中から得てきた題材は沢山ありますので是非、Nicheee!様の方で発表させて頂けるのであれば、惜しむことなく話させていただきたいと思います（笑）。」

「旅行に行きたいという方は多くても時間やお金の制約からなかなか実行に移せないという人も多いと思います。なので今回の個展に来て頂けた方には、日本にいながら一瞬でも世界中へ脳内旅行して良い気分になって頂けたらと思います。またこの写真展がきっかけで、どなたかが世界に飛び出す事のきっかけになってもらえたらとも思っています。」