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“伊予の小京都”大洲の夏の風物詩といえば「鵜飼(うかい)」だ。うかいは、全国各地で開催されているが、大洲・肱川のうかいは、岐阜の長良川、大分の三隈川と並び、「日本三大うかい」に数えられる。その大洲の夜うかいを先日、体験してきた。

うかいの歴史は、『古事記』や『日本書紀』に記述があるほど古い。もともと、鵜(う)を使って鮎を獲る伝統漁法だった。大洲では昭和32年(1957年)から観光うかいがスタートした。

夕暮れ時、大洲の観光スポッとして知られる名建築「臥龍山荘」下の乗船場から屋形船に乗った。テーブルには、その名も「御船弁当」(標準セット、通常は二段重)が置かれ、地元産の野菜や魚などをふんだんに使った料理を、肱川の流れに乗った船でのんびり味わうという、なんともぜいたく。

そして、すっかり日が暮れた頃、鵜船がやってきて、どんどん近づいてくる。灯りがない暗闇の中、鵜が鮎を獲りに肱川に潜る様子が間近で見られ、それはもう迫力満点だった。船頭の巧みな舵取りも見事で、まさに芸術!

大洲のうかいは、屋形船と鵜船が併走し、手が届きそうなほど距離で鵜が鮎を勢い良く獲る様子が見られるのが特長。5匹の鵜を操る鵜匠の綱さばきも、熟練の業そのものでとても見ごたえがあった。

うかいの乗船料金は、例えば、一般の乗合船(少人数向け)だと、夜うかいで中学生以上6,000円〜。乗船と食事、宿がセットになった宿泊セット11,000円〜などもある。幻想的な夜うかいとは別に、遊覧船気分で気軽に楽しめる昼うかいは4,000円〜リーズナブルで人気。8月下旬〜9月下旬は郷土料理「いもたき」もスタート。大洲のうかいは毎年、6月1日から9月20日まで楽しめる。

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「えひめ南予博覧会」(仮称)が、愛媛県南部の南予地方で平成28年度(2016年度)に実施される。南予エリアのグルメや文化、歴史などを中心にさまざまなイベントが行われる。

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大洲観光総合案内所
いよ観ネット

(Written by Aki Shikama)