アンパンマンといえば、傷ついて泣いている人に、自分の顔をちぎって食べさせ、元気にさせる子供たちのヒーローだが、最初は全然違う設定だったことを、みなさんはご存知だろうか?
1998年7月11日の読売新聞によると、当時のアンパンマンは普通の人間で、戦争で飢えた子供たちにアンパンを届けに行くストーリーだったとのこと。
1968年、やなせの童話集「十二の真珠」の一編としてアンパンマンは生まれた。 顔は今のアンパンの形ではなく、普通の人間。物語も正義の味方アンパンマンが悪者ばいきんまんを倒すという、おなじみの勧善懲悪ではなかった。 「アンパンマンが戦争で飢えた子供にアンパンを届けに行くが、国境を越えて戦場に入ったため、敵に殺されてしまう。大人向けの苦い話でした。スーパーマンのような無敵のヒーローが実現する正義が僕にはインチキ臭く思えたのです」 見た目も格好悪く、「とても絵本や映画になるとは思わなかった。編集者から、こんなの描かないでくれと言われた」という。 73年の童話集「アリスのさくらんぼ」に、現在の原型となるアンパンマンが登場。「正義は決して格好良くなく、自分も深く傷つくもの」という、やなせの信念から、アンパンでできた自分の顔を削って、困った相手に食べさせるというアイデアが浮かんだ。同年、幼児向けの月刊絵本で連載が始まり、人気に火がついた。 |
参考:1998年7月11日「読売新聞」
(written by けいぼう)
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