2016年2月に100周年を迎える芝居小屋がある。愛媛県内子町にある「内子座」だ。最近、国の重要文化財に指定されることも決まった。
この内子座で今、小学生が「狂言」に励んでいる。
町内の小学生を対象に、狂言師の茂山千三郎さんが内子座で狂言を教える「茂山狂言クラブ」は、4年前に始まった。「狂言をここ(内子座)で長く継承できないか」という思いからワークショップを開催したところ、子どもたちが予想以上に興味を持ち、今では小学2〜6年生の31名が100周年の記念公演などに向けて練習中という。
内子座は大正5年(1916)、芸術と芸能を愛する人々が建てたのがはじまり。木造2階建瓦葺き入母屋造りで、回り舞台や花道、枡席などがある都市型劇場として芝居などが上演され、その後、映画館など改修され、現在は劇場として保存・活用されている。内子座は「距離の近さ」が売りで、観客が役者の涙まで見られるのだとか。また、照明器具がなく、大きな窓があって自然光で芝居をしていた当時の面影を残す。
大正ロマンの佇まいが感じられる内子座と、狂言に取り組む子どもたち。国の重要文化財への指定も決まり、100周年に向けて明るい話題が続く。松山から最短25分、歴史的な街並みも残り、フラッと遊びに行くにもおすすめだ。
「えひめ南予博覧会」(仮称)が、愛媛県南部の南予地方で平成28年度(2016年度)に実施される。南予エリアのグルメや文化、歴史などを中心にさまざまなイベントが行われる。
内子さんぽ
いよ観ネット
(Written by Aki Shikama)