個人対個人でサービスの売買を行う「C to C」のビジネスが、これから拡大をみせていきそうだ。
「ヤフオク!」のような個人消費者間の商品取引は90年代からあったが、スマートフォンの普及によってその幅が更に広がった。
例えば、LINEのクリエイターズスタンプは14万セットを超えていたり、日本国内では実用される可能性は低いが、海外では配車アプリ「Uber」を利用してタクシードライバー以外も客を乗せている。
解釈によるが、個人がユーチューブで動画コンテンツを配信するのも、時間料金でおっさんをレンタルするのも、個人消費者間のビジネスにあたるかもしれない。「C to C」のビジネスの中でもモノの提供からサービスの提供へと、移り変わりを見せているのだ。
さまざまな個人消費者間取引を支えるプラットフォームの存在によって、自分が持っているモノすべてを売れる時代が来たといえる。
アメリカ発の「Udemy(ユーデミー)」は、誰でも何かの講師になって、動画講座で自分が持っている知識を売ることができるプラットフォームだ。すでに16,000人の講師が、700万人の受講者に対して講座を発信している。
ラインナップはIT関連のスキルや語学、ビジネス、資格などの大人向けのものから、幼児向け、小中学生向けなど多岐にわたる。
国内に本格展開されたのは今年4月。教育の分野で高いノウハウと信頼性をもつベネッセコーポレーションと提携し、国内の講師やユーザーを増やしていくねらいだ。
Udemyはこの度、教育の分野での起業を金曜夜から日曜までを利用して体験できるワークショップ「Startup Weekend Tokyo Education」へ協賛をおこなった。イベントに参加した起業を志す人々にUdemyを紹介するなど、国内でサービスを定着させるため、受講者だけでなく講師としての利用者になりうる人にもサービスを認知してもらえるように奔走している。
プロとして講師の仕事をしている人ばかりではなく、現在は元サッカー日本代表監督の岡田武史氏も講師として動画を公開するなど、個性的な講師が集っている。
受講料は講師が自ら設定でき、講座の価値付けや収益化をねらった戦略を立てることも自由だ。
需要のあるテーマなら誰のどんな経験やスキルでも授業にできるので、予備校の名物講師や、はたまた英語を教えるYouTuberのように、ここからとんでもないスターが生まれるポテンシャルを秘めていそうだ。