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2015年9月29日、新宿Nikon salonで写真家TATSUROの写真が披露された。
短期バックパッカーとして80カ国以上を渡り歩いた写真家TATSURO氏。
この個展ではアフリカ大陸を旅した時に撮影した風景に限定した写真を厳選し展示しているという。


──今回展示される作品に込めた思いは?
「今年、二か月をかけて僕はアフリカ大陸を旅しました。
その旅の中で、人類の起源と言われているアフリカ大陸には、未だ地球の始まりのままの姿が残されている部分があるのだと自分の肌で実感する事が出来ました。
一方で、その自然の姿を横目に、人々の住む地域の都市化が進んでいる部分もありました。
地球全体で近代化が推し進められる今、これまで生息し続けた動物や自然は淘汰され、自然と動物、人間の共存は昔と同じではなくなっている事をアフリカ大陸を横断しながら感じていると、“僕たちはどこに向かって行くのだろう?”という疑問が浮かびました。
そのような疑問や思いを今回展示している写真では表現しています。」


──2015年は東京、大阪、仙台でも写真展があり、さらに東京、大阪と新たな作品で個展をされるという事で、TATSUROさんの勢いや熱意を感じていますが、前回の展示を経て、今回意識した点などはありますか?
「前回の個展は自分が3年間撮りためていた作品を世の中に出す初の機会でした。 
プロの方からアマチュアの方まで様々な写真家の方々や、カメラ関係者の方々、そして一般の方々から貴重な意見に多数触れる事が出来とても勉強になりました。
頂いた数々の意見を受け、今回意識した事は撮影後の写真の色の出し方です。
美術部で油絵を描いていたこともあり、僕の写真は撮って終わりではなく、撮影後のレタッチにも多くの時間をかけています。
前回の個展では、絵の具で言うならアクリルガッシュを選び、彩度とコントラストの高い油絵調にしていました。すると『こんなきれいな写真は見たことがない』とその感動を目を輝かせながら伝えてこられる方もいらっしゃれば、撮影後に加工された写真というものをあまり好まない方には大きく批判をされる事もありました。
なので今回は加工のテイストを少し変えて水彩画のようなタッチで色作りをしています。そして、個展に来て頂けた方と交流を持ちたいという思いで今回は毎日在廊し、様々なご意見を頂いております。お褒めの言葉も多く頂き、自分は自分で良かったんだと徐々に胸を撫で下ろせるようになりました。」


──今後行って撮影してみたい国や場所はありますか?
「セネガル、ガンビアなど西アフリカ周辺国に行きたいです。
今回アフリカ大陸各国を巡る中で人々が纏う衣装のセンスの良さに脱帽したのですが、
セネガルの人々が着る服はアフリカ大陸の中でも特に印象的な色使いをしていると現地のツーリストに聞いたので、次の渡航先にしようと決めています。
普段の仕事でファッション撮影にも携わっている自分としては、そういった独自の思想と文化で作り上げてきた衣装センスを直接見に行き感じたいと思っています。」


──その他、今後の目標や夢などはありますか?
「2012年に100ヵ国渡航を自主企画してから丸3年を経て、現在訪れた国の数は81ヵ国になりました。
記念すべき100ヵ国目に渡航した際には、その旅の様子をWEB番組などで伝えられれば嬉しいなと考えています。」

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Nikon Salon juna21
TATSURO 写真展:Coexist〜共生〜

新宿 Nikon Salon
2015年9月29日(火)〜10月5日(月)
10:30-18:30(最終日15:00まで)

大阪 Nikon Salon
2015年11月19日(木)〜11月25日(水)
10:30-18:30(最終日15:00まで)日、祝休館



<<TATSUROプロフィール>>
広島市生まれ。
1999年 広島市立基町高等学校卒業。
2003年 大阪芸術大学・写真学科卒業。
2003年 東京STUDIO FOBOS入社。
2005年 写真事務所設立。 
2015年 写真スタジオ設立。 
現在 東京・目黒を拠点として活動。都内の高等学校で講師も務める。
代表作『しんじてる。(ディスカバー21)』、『つながってるよね。今もずっと、これからもずっと。(中経出版)』など、自身の作品による写真集も多数発表している。

(Written by マス・D・タカシ)