このところ、コーヒーによる健康効果など、コーヒーに関する記事を目にすることが多い。筆者にとって最近気になるのが、じわじわと広がっているという、「カフェインレスコーヒー」。これまでは妊娠中や授乳中の女性に一定のニーズがあったが、健康志向の高まりとともにカフェインを気にする方にも人気だという。
最近では「良品計画」がブラジル産カフェインレスの豆を使用したインスタントコーヒーを発売。また「小川珈琲」が水を用いてカフェインをカットしたコーヒー豆を使用した「有機珈琲カフェインレスモカ」を発売するなど、カフェインレス商品を取り扱う企業が目立つ。
そんな中、日本のカフェインレスコーヒー市場において高いシェアを持つネスレ日本は、カフェインレスコーヒーと通常のカフェイン入りコーヒーの飲み比べ体験会を開催した(11月14〜16日、スポーツクラブNAS西日暮里)。同じ銘柄でカフェインレスとカフェイン入りの飲み比べを体験できるという、これまであまり見なかった試みである。
飲み比べるコーヒーは、独自の製法でカフェインを97%カットしたという「ネスカフェ ゴールドブレンド カフェインレス」と、「ネスカフェ ゴールドブレンド」。
実際にどちらがカフェインレスなのかわからない状態で試飲してみると、正直なところどちらがカフェインレスなのか筆者にはわからなかった。コーヒーのコクと香りがどちらにも同じようにあると感じられた。カフェインレスと言われなければ気づかなかったかもしれない。
最終日には、コーヒーやカフェインに詳しい東京福祉大学の栗原久教授(医学博士)によるセミナー「カフェインとカフェインレスの健康科学」が行われた。
コーヒーを飲む人は死亡リスクが上がらない、お肌のシミの割合が低いなどのコーヒーの健康効果を始め、昼寝の前に飲むことでスッキリ起きられることや、集中力・計算能力がアップするポイントなどを紹介。一方で夕食後のコーヒーは注意した方がよいという。カフェインには覚醒効果があるので日中は問題ないが、夕食後にはカフェインレスコーヒーを選ぶのがオススメとのこと。カフェインレスコーヒーにもポリフェノールは含まれるので、健康効果と香りによるリラックス効果、さらには睡眠への心配がないという、一石三鳥の飲み物だと感じた。教授自身も快適な眠りのために夕方以降はカフェインレスのコーヒーに切り替える生活を実践しているということだ。
コーヒーファンにとって、仕事のブレイクタイムや集中したい時のコーヒーは生活になくてはならない存在だろう。しかし味がそれほど変わらないのであれば、一日の疲れを癒す質のよい睡眠のためにも夕食後のコーヒーはカフェインレスにしてもよいかもしれない。